米ターゲット(前編)老舗デパートはなぜディスカウント店に転身したのか
米国のディスカウント店大手に「ターゲット」という会社がある。
第一号店の出店は1962年。今も業界トップの「ウォルマート」や、かつて市場を席巻した「Kマート」と同じ年だ。Kマートが舞台から姿を消したのとは対照的に、今も確固たる立ち位置を築いている。
ターゲットは、米国の小売業を語る上で外せない代表格と言える。小売企業の多くがAmazonやウォルマートの前に破れ去る中、独自路線で顧客の心を掴んできた。
そのルーツは、なんと「デパート(百貨店)」にある。しかし、デパートがなぜ、対極的とも言えるディスカウントストアに転身したのだろうか?
ターゲットは今や全米に1700もの店舗を構え、売上高も10兆円を超える。今回はその創業からの流れを追っていきたい。
ターゲットの創業者はジョージ・ドレーパー・デイトン。1857年にニューヨークで生まれた。