オマハの賢人に世界中の投資家が注目する日!バークシャーハサウェイの株主総会の注目点をピックアップ。
バークシャー・ハサウェイ



投資の神様、オマハの賢人と言われるウォーレン・バフェットが経営するバークシャーハサウェイの株主総会が5月5日に行われました。

例年株主総会ではバフェットと共同経営者であるチャーリー・マンガーが株主からの質問に答え、その内容は世界中の投資家の注目の的になります。

今回は株主総会の中で面白かった部分をピックアップして要約をしてみたいと思います。


導入・投資哲学

以下訳です。

ここに1942年3月10日から12日のNYタイムズがあります。この時は第二次世界大戦にアメリカが参戦して3ヶ月ほどでした。その時私はCity Serviceの優先株式を見ていて、株価は$40で一年前は$84、年初には$55でした。3月11日に私は父にCity Serviceの株を3株買いたいということを伝え、父はその日の高値である一株$38.25で買い、その日の終わりには$37にまで株価は下落していました。当時の戦争の状態はアメリカに取ってあまり良くはありませんでしたが、その後状況は好転し、City Serviceの株価は$200まで上昇しました。しかし私は株価が$40の時に売り一株あたりの利益はわずか$5.25で終わりました。


この経験から何が学べるのでしょうか。一見戦争の状況は悪いように見えましたが、米国民は全員戦争に勝つと思っていたし、国のシステム自体は1776年から良く機能していました。1942年に米国のIndexファンドに1万ドル投資すれば現在5100万ドルになっています



一方で、もしあなたが1942年に1万ドル分の金を300オンス買っていたらそれは今でも300オンスの金にしかなりません。金額的な価値でいうと現在では40万ドルになります。

投資哲学を持つこと、あなたが知らないこと(会計や専門用語)を知ろうとしないことが大切なのです。

株主質問

質問画像

質問:他の取締役たちがビジネスの運営業務や投資業務を手伝っているようだが、バフェットはセミリタイヤしたということか。


バフェット:私はここ数十年間セミリタイヤしているようなものです(笑)。バークシャーの保有してる資産の内訳は株式$1700億、債権$200億、現金が$1100億あるが投資業務を手伝っている二人の取締役はそのうち$120-130億ドルくらいである。よって私自身は今でも$3000億くらいは運用していることになる。運営と投資業務を手伝ってくれている4人の取締役達はとても優秀で時々彼らの考えを盗んじゃうくらいだよ。


チャーリー:ウォーレンは仕事中の時間の大半を座って何かものを読み考えることに当てる。彼は何もすることがないとき、何もしなくて良いときに余計なことをせず何もしないでいられる。


質問:(会計士からの質問)なぜ新しい会計基準に対して批判的な意見を株主への手紙で残したのか。


バフェット:新しいルールの元では我々が持っている株式の価値は損益計算書に毎期反映されることになりそれが正しいとは思えない。我々が今後数十年かけて保有していくと考えている株式$1700億ドルについては既にバランスシートに価値の変動は計上されています。もし我々が保有しているBNSF railways株式の半分を売ろうとしたら、それは我々が保有している全体の株式の規模をも上回ることになる。もしそれらを毎期評価替えするのはおかしいであろう。


チャーリー:企業価値の変化は常にバランスシートの純資産の部に計上される仕組みになっている。質問者は恐らくご自分の専門分野をあまり理解していないのだろう。


質問:もし$10億しか資金がなかったら何へ投資するか。その場合新興国への投資を拡大するか?

バフェット:資金が$10億だった場合、まずは米国市場を隈なく調査した後にもしかしたら2−3の海外企業を探すだろう。しかしあまりにも小さい市場へは手を出さないと思う。


質問:50年後のバークシャーはどうなっているか

バフェット:50年後?さすがにわからないが、我々は明確な方針にしたがって投資をしている。50年後も株主たちをパートナーとして大切にし、株主を裏切らないような企業であることを願っている。


チャーリー:若い投資家の方々へ言いたいのは、もしバークシャーの株を受け継いだら売らないで我々を信じて欲しい。株式を売却して不運になった家族たちを過去たくさんみてきたからね。


質問:海外での買収について

チャーリー:海外での買収らはLBO(レバレッジドバイアウト)によって構成されていることが多い。LBOを成功させることは難しく、LBOファームがうまくいっていないことも目に見えている。

我々は一度もLBOの様なことは手を出していいないよ、バフェットが私に隠してやっていなければね。

質問:企業文化について

我々の企業文化は強く株主達が作り出していると思っている。株主を持ちたくないと言う企業もあるが、特に個人投資家の方々にバークシャーの株主になっていただくことを光栄に思っている。我々のマネージャーも株主であり、彼らの中には第2、第3世代の者もいる。我々はこれからもバークシャーの企業文化は強く成長すると考えている。


おまけ

株主総会冒頭で:

バフェット:チャーリーは大半のことを私より上手くやりますね。これ以外は


チョコレートのラベルを剥がすことに関してはバフェットの方が優れている様です。


参考資料

Berkshire Hathaway 2018 Annual Meeting 

Berkshire Hathaway 2018 Annual Meeting  Yahoo Finance

連載シリーズ (全13回)

ウォーレン・バフェット特集