アルバイト・パート関連銘柄6選!人手不足時代における強みと可能性

日本の労働市場は、深刻な人手不足と働き方の多様化という大きな変化の渦中にあります。特にアルバイト・パート領域では、企業は労働力の確保に、働き手は自分に合った働き方の実現に、それぞれ課題を抱えています。
このような状況下、人材サービス企業はテクノロジーと独自の戦略を駆使し、新たな価値創出に挑んでいます。AIでマッチングを革新する企業、短期人材や「スキマ時間」に特化するプラットフォームなど、各社はそれぞれの強みを活かして、人手不足の解消と、より自由で豊かな働き方の実現を目指しています。
本記事では、アルバイト・パート関連市場の企業6社を取り上げ、その事業内容や特徴、戦略に迫ります。
リクルートホールディングスは、「タウンワーク」や「フロム・エー ナビ」といった求人サイトを通じて全国を網羅する求人情報を提供。他にも特定の専門領域を扱う求人媒体や、多様な掲載プランも用意し、企業のニーズに応えています。
同社は「良いマッチング」を増やすことで仕事探しや人材探しをより自由で快適なものへと変革することを目指します。
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同社の強みは、基盤となる「リボンモデル」と、それを支えるテクノロジーとデータ活用力にあります。マッチングの効率化と高速化を図るだけでなく、アルバイト・パートスタッフ向けの学習環境も提供。これにより、働き手のスキルアップを支援し、企業の定着率向上への貢献を目指すアプローチを実践しています。
リクルートホールディングスはアルバイト・パート求人領域の主要な企業のひとつとして、労働人口の減少という社会課題を見据え、多様な人材が活躍できる機会を創出し、日本の「働く」を進化させることを目指しています。
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ディップ株式会社は、「人が全て、人が財産」という信念を掲げ、人材サービス事業とDX事業を推進しています。
中核となる人材サービス事業では、「バイトル」がアルバイト・パート向け、「はたらこねっと」は派遣・正社員向けと、多様な雇用形態に対応するインターネット求人広告サービスを展開し、企業と働き手の橋渡し役を担います。
同社の際立った特徴は、AIをはじめとするテクノロジーの積極的な活用にあり、その象徴が生成AIを用いた対話型バイト探しサービス「dip AI」です。
「dip AI」ではユーザーとの自然な対話から潜在的な希望や条件を引き出し、パーソナライズされた仕事提案を実現。さらに面接日程の調整や履歴書作成サポートなどの機能リリースの予定もしています。これは、従来の情報検索型サービスとは異なるアプローチです。
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さらに、求職者の不安を解消し、ミスマッチを防ぐための独自の機能も充実。職場紹介動画や、職場の雰囲気を可視化する「職場環境バロメーター」、さらには「しごと体験・職場見学」といった機会を提供することで、入社後のギャップを減らす工夫が凝らされています。
「dip AI」のような技術開発に加え、直販体制による営業、そしてフィロソフィーに根差した人的資本も同社の特徴です。
テクノロジーと人の力を融合させ、労働市場における様々な課題解決と、より精度の高いマッチングの実現を目指しています。
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フルキャストホールディングスは、短期人材サービス業界のパイオニアであり、主要なプレイヤーのひとつです。
同社の使命は、働く機会を求める人々の多様なライフスタイルに合わせた短期の働き方を提供し、潜在的な労働力を顕在化させることにあります。少子高齢化による労働力人口の減少という社会課題に対し、女性、若者、高齢者、外国人など、多様な人材へ就業機会を創出することで社会貢献を目指します。
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フルキャスト、トップスポット、フルキャストシニアワークス、おてつだいネットワークスなど、事業分野や地域、属性、技術に特化した多彩なグループ会社を有し、顧客企業の様々なニーズに迅速に対応。
同社は、今後「人生の働くをサポートするプラットフォーム」を提供し、多様な働き方とステップアップを支援し、持続可能な社会への貢献を図る考えです。
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タイミーは、スキマ時間の活用を通じて潜在労働力を喚起し、人生の可能性を広げることを目指す「スキマバイトサービス」を展開。履歴書・面接不要、勤務後すぐに報酬を受け取れる手軽さとスピード感を特徴としています。
同社は、テクノロジーを活用し、プラットフォームの開発を進めています。ワーカーのスキルや経験を可視化する「バッジ機能」や、アルバイトのOB/OGとつながる「アルムナイ機能」などを実装。これらにより単なるマッチングに留まらず、ワーカーのキャリア形成支援や、企業の人材活用をサポートすることを目指しています。
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物流・飲食・小売といった主要分野から他業界への展開も推進中。相互レビュー機能や不正利用防止策により、サービスの信頼性と健全性の維持にも注力しています。
タイミーは、テクノロジーの活用を通じて潜在的な労働力を掘り起こし、人手不足という社会課題の解決を目指しています。働き方の多様化が進む現代において、新しい労働市場の形を提示しようとしています。
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株式会社ツナググループ・ホールディングスは、「採用市場のインフラになる」という理念を掲げ、日本の労働需給ギャップ、特にアルバイト・パート領域の課題解決に取り組んでいます。
顧客企業の状況に応じた採用手法を提案するコンサルティングを行い、企業の現状分析から採用、教育、定着までを包括的に支援するワンストップサービスを提供しています。
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さらに「ショットワークス」のような短期・単発専門サイトや、「シフトワークス」のような働きたい曜日や時間から求人を探せるサイト、さらにDXリクルーティングサービスなど、多様なポートフォリオを駆使して企業の人材確保をサポートしています。
積極的なM&Aを通じて事業領域を拡大しつつ、テクノロジーを活用して採用プロセスの効率化と高度化を推進しています。
人手不足が課題となる日本において、同社は多様な人材サービスとコンサルティングを通じて、企業と働き手のマッチングを支援し、社会の持続可能性への貢献を目指します。
LINEヤフーグループが提供する「LINEスキマニ」は、月間約9,700万人という巨大なユーザー基盤を持つLINEアプリ上で展開される単発雇用マッチングサービス。
LINEスキマニは、企業の人手不足と個人の「スキマ時間」を即座に結びつけ、新たな働き方の選択肢を提供します。
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主な特徴として、LINEアプリ上で求人検索や応募が可能である手軽さと利便性が挙げられます。勤怠管理や給与支払いはシステム内で対応。ワーカーは新たなアプリを導入することなく、面接なしで最短即日から勤務が可能です。企業側は初期費用・掲載料が不要な成果課金型を採用しています。
また、大手求人サイト運営会社マイナビとの業務提携により、求人情報の拡充とサービス開発を進めています。
LINEスキマニは、LINEヤフーグループの基盤とテクノロジー、戦略的提携を活用し、ギグワーク市場において、企業と働き手双方に価値を提供するプラットフォームとして展開を目指します。