食料品デリバリー「Instacart」はどのように生まれたか?
今回ご紹介するのは、米国の巨大ベンチャー企業「Instacart」だ。
2012年にアポーヴァ・メータによって創業され、2年後の2014年には早くもユニコーン企業の仲間入りを果たした。それから5年以上が経った現在、評価額は390億ドルにのぼる。
Instacartが展開するのは、食料品スーパーの買い物代行プラットフォーム。あまりにシンプルな事業アイデアに聞こえるが、それまで大規模に成功させたものは一つとして存在しなかった。
一方、脳裏に焼き付くような「大失敗」事例ならすでにあった。インターネットバブルを象徴する企業の一つ、「Webvan」だ。1999年に上場したときには3.75億ドルを調達しながら、2001年に倒産。2,000人もの従業員が職を失った。
米国の食料品スーパーは2021年時点で7,585億ドルもの市場規模が見込まれている。この巨大市場には、Amazonをはじめ名だたる大企業が狙いを定めてもいる。
今回のシリーズでは、Instacartの歴史を紐解きながら食料品デリバリーの未来について考える。今回の一記事目では、Instacartの創業ストーリーについてご紹介する。