今回ご紹介したいのは、スウェーデンのスタートアップ「Klarna」だ。
Klarnaが提供するのは、先日ご紹介した「Affirm」と同じ後払い決済。今ブームがきている「Buy Now, Pay Later」モデルのパイオニアだ。
後払い領域で特に注目されるベンチャーはKlarna、Afterpay、Affirmの三社。そのうち最も創業が早かったのがKlarnaだ。歴史が長い分いろいろな点で進んでおり、特にヨーロッパでの存在感は圧倒的だ。
ヨーロッパでもっとも評価額の高い金融スタートアップがKlarnaだ。今回はKlarnaの創業史について紐解いた上で、彼らが確立したビジネスモデル、開示されている事業数値についても整理したい。
なお、前回のAffirmとあわせて後払いに特化した三部作として構成したい。明日はAfterpayについても特集するので、お楽しみに。
Klarnaの創業者はセバスチャン・シーミアトコウスキー(Sebastien Siemiatkowski)。1981年生まれで、両親はポーランド出身の移民だった。
学校では優秀で、12歳のときにはリチャード・ブランソンの本を読んでいた。彼は、両親が移民だったために潜在能力を十分に発揮できなかったと感じていた。
父親は博士課程で学んでいたとき仕事が見つからない時期があり、タクシー運転手として働いた。母親もアカデミックな出自だったが、早くしてキャリアを諦めた。
そんな背景もあって、子供の頃から「自分は能力をフルに発揮して生きたい」と思っていたという。
後に共同創業者となるニコラス・アダベル(Niklas Adalberth)は、バーガーキングのバイト仲間だった。ハンバーグをひっくり返しながら、事業アイデアを交換していた。