事業内容
ナカボーテックは、インフラ施設の長寿命化を目指し、防食技術を提供することで持続可能な社会の実現に貢献しています。同社は、構造物の腐食・劣化調査、解析・評価から腐食対策の提案、防食設計、対策工事、維持管理までを手掛ける総合的な防食システムの提供を主業務としています。また、防食関連材料や装置の製造・販売も行っており、建設業法に基づく特定建設業許可のもと事業を展開しています。
事業活動は、港湾事業、地中事業、陸上事業、その他に区分され、それぞれの事業区分で電気防食、被覆防食、塗装防食の技術を用いた工事及び製品等の販売を行っています。電気防食技術を応用した冷却管の内面防食や海生生物の付着防止技術も提供しています。
ナカボーテックは、地域顧客に密着したサービス提供を目指し、国内に支店や営業所を配置。営業本部では将来に向けたマーケティングと新規事業の育成を、技術本部では新技術・新商品の開発や現場への適用促進を担っています。
また、同社は鉄筋コンクリート構造物の電気防食にも力を入れており、リボンメッシュ方式や「TCユニット」方式など、施工が容易で躯体コンクリートを傷めずに実施可能な方法を開発しています。これらの技術は、構造物の腐食防止に大きく貢献しています。
経営方針
ナカボーテックは、社会基盤の価値を守り、安全で安心な日常を次世代に繋げることを目的とした成長戦略を推進しています。同社は2023年5月に「パーパス」と中期経営計画「23中計」を策定し、公表しました。この計画では、2023年度から2025年度までの3年間を事業基盤整備の期間と位置付け、既存事業の堅実な業績確保、新規事業の収益貢献基盤形成、業務効率化の推進、そしてESG取り組みの開始に注力しています。
特に、主力である港湾事業を中心に、既存事業での業績を確保しつつ、新規事業が将来的に収益に貢献できるような基盤を築くことに力を入れています。また、建設業の2024年問題に対応し、体質を強化するための業務効率化を推進しており、ESGの取り組みを通じて内部ステークホルダーのエンゲージメント向上と気候変動リスクへの対応にも取り組んでいます。
財務面では、有利子負債がなく、十分な流動性を確保しているため、株主への利益還元に優先的に取り組んでいることも特筆されます。これらの戦略は、同社が提供する防食技術を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するという長期的なビジョンに基づいています。ナカボーテックは、これらの成長戦略を軸に、インフラ施設の長寿命化という社会的課題に対応し、企業価値の向上を目指しています。