事業内容
日本たばこ産業(JT)は、たばこ事業、医薬事業、加工食品事業の3つの主要な事業セグメントを持つグローバル企業です。これらの事業は、268の連結子会社と53の持分法適用会社によって支えられています。
たばこ事業では、JT International S.A.を中心に、世界各国でたばこ製品の製造と販売を行っています。主な関係会社には、LLC JTI RussiaやGallaher Ltd.などがあります。JTは、130以上の国と地域で製品を販売し、世界第3位の販売数量を誇ります。
医薬事業では、医療用医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。鳥居薬品が製造と販売を担当し、Akros Pharma Inc.が海外での臨床開発を行っています。主要製品には、アトピー性皮膚炎治療薬の「コレクチム軟膏」などがあります。
加工食品事業では、テーブルマークが冷凍食品や調味料の製造と販売を行っています。主力製品には、冷凍うどんの「カトキチさぬきうどん」やパックごはんの「国産こしひかり」があります。富士食品工業は調味料事業を展開しています。
これらの事業に加え、日本たばこ産業は不動産賃貸事業も行っています。各事業は、研究開発、調達、製造、販売の各分野で独自の戦略を持ち、グローバルな市場での競争力を高めています。
特集記事

ロシアの軍事侵攻で日本の産業はどうなる 日ロ貿易の現状から考察

加熱式たばこ販売数は年間28億本「日本たばこ産業」2018年本決算

日本だけのガラパゴス?成長が期待される「加熱式たばこ」の現状を整理!

日本たばこ産業の事業セグメント別業績
経営方針
日本たばこ産業(JT)は、持続的な利益成長を目指し、「4Sモデル」を経営理念として掲げています。このモデルは、顧客、株主、従業員、社会の4者に対する責任をバランスよく果たすことを重視しています。JTは、これを通じて中長期的な企業価値の向上を図り、将来の利益成長に向けた事業投資を積極的に行っています。
JTは「心の豊かさを、もっと。」を企業の目的(JT Group Purpose)として掲げ、社会から求められる存在であり続けることを目指しています。たばこ、医薬、加工食品の各事業においても、それぞれの事業目的を設定し、事業戦略の遂行を通じて成果を創出しています。これにより、社会に貢献し続ける企業であることを目指しています。
経営資源の配分においては、JTはたばこ事業を利益成長の中核と位置付け、持続的な成長を支えるための投資を最優先しています。一方、医薬事業と加工食品事業は、全社の利益成長を補完する役割を担い、必要な投資を行っています。これにより、事業投資と株主還元のバランスを重視した経営を行っています。
JTの中期経営計画「経営計画2025」では、たばこ事業の持続的な単価上昇やRRP(Reduced-Risk Products)の損益改善を通じて、為替一定ベースでの営業利益の成長を見込んでいます。また、株主還元方針として、配当性向75%を目安にしつつ、強固な財務基盤を維持し、利益成長を実現することを目指しています。
JTは、変化する経営環境に対応するため、「質の高いトップライン成長」「コスト競争力の強化」「基盤強化の推進」を基本戦略としています。特に、たばこ事業では、CombustiblesとRRPへの経営資源の集中投資を行い、ブランドエクイティの強化を通じて市場シェアの拡大を図っています。これにより、持続的な成長を目指しています。
医薬事業では、次世代戦略品の研究開発と各製品の価値最大化を通じて、利益貢献を目指しています。加工食品事業では、高品質なトップライン成長を通じて、利益成長を図っています。これらの戦略を通じて、JTは持続的な利益成長と企業価値の向上を目指しています。