Box, Inc.【BOX】 NYSE

Box Inc. (ボックス)はカリフォルニアに本社を置くクラウド・ファイルシェアリング、コンテンツ管理ツールを提供するソフトウェア(SaaS)企業。2004年にAaron Levie氏が南カリフォルニア大学在籍中にプロジェクトとして開始。2005年に本格的に開始し、2009年にファイルシェアリングのIncreo Solutionsを買収。2015年1月にニューヨーク証券取引所に上場した。

Box, Inc.【BOX】 NYSE

Box Inc. (ボックス)はカリフォルニアに本社を置くクラウド・ファイルシェアリング、コンテンツ管理ツールを提供するソフトウェア(SaaS)企業。2004年にAaron Levie氏が南カリフォルニア大学在籍中にプロジェクトとして開始。2005年に本格的に開始し、2009年にファイルシェアリングのIncreo Solutionsを買収。2015年1月にニューヨーク証券取引所に上場した。

事業内容

事業内容

Box Inc. (ボックス)は米カリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置く、クラウド・ファイルシェアリング、コンテンツ管理ツールを提供するSaaS企業。簡単かつ安全な環境下でコンテンツへのアクセスとファイル共有を可能にし、コンテンツを安全に管理することができるプラットフォームを提供している。

2005年に「どこからでも簡単に情報にアクセスし、誰とでも協力できるプラットフォームを構築する」とのビジョンの下、事業を開始した。そのビジョンは現在もBoxの中核をなしているが、現在はさらに「世界を協働させる」というミッションを掲げている。

顧客数は2020年1月末時点で9万7,000社に上り、英製薬大手アストラゼネカや米電機大手ゼネラル・エレクトリックなど、米フォーチュン誌の全米上位ランキング500社の68%を顧客に持つ。

ビジネスモデル

BOXではサブスクリプションモデルでサービスを展開しており、サブスクリプションおよびプレミアサービスの収益を契約期間にわたって均等に計上する。

BOXのビジネスモデルは、顧客関係の生涯価値を最大化することに焦点を当てている。BOXでは、新規顧客の獲得に多額の投資を行っている。顧客を維持し、アドオン製品をクロスセルし、時間の経過とともに顧客ベース内での展開の規模を拡大することにより、これらの投資から黒字化を達成できるとBOXは考えている。

商品とサービスの特徴

Boxが提供する商品やサービスは、社内チームや顧客、パートナー、取引先などとの共同の取り組みや業務を簡素化し、いつでも、どの端末からでも共有ファイルにアクセスすることが可能となる。Ofiice365やG Suite、Slackなど、2020年9月時点で1,400以上のアプリに対応しており、使いやすく、安全な環境でファイルを共有できるのが特徴だ。

商品は、コンテンツ共有の安全性を重視した「セキュリティー&コンプライアンス」商品と、作業やファイルの共有を容易にし、業務フローの効率化を実現する「コラボレーション&ワークフロー」商品に分かれている。

セキュリティー&コンプライアンス商品

このカテゴリーの商品は7種類あり、以下のような特徴を持つ商品がある。

ボックス・シールド(Box Shield)

Shieldでは、手動と自動の両方でコンテンツ分類が可能だが、ファイル内のPII(個人を特定できる情報)とカスタム用語を識別し、ポリシーに基づいて自動的にコンテンツを分類する機能を備えている。

また、コントロール機能を活用することで、リアルタイムでのデータ漏洩を防止しながら、スムーズなエンドユーザーエクスペリエンスを実現できるのも特徴だ。重要な作業を行っている間も機械学習能力が機能し、インサイダーの脅威やアカウント情報の漏洩、マルウェア攻撃に関するアラートをタイムリーに受信することができる。

ボックス・ガバナンス(Box Governance)

Box Governanceは、生産性に影響を与えることなく、コンテンツのライフサイクル管理においてリスクを軽減できるのが特徴だ。ドキュメントの柔軟な保存管理、コンテンツの分類や整理など、コンテンツのライフサイクル管理方法を合理化できる仕組みが提供されている。

ボックス・ゾーンズ(Box Zones)

企業が複数の地域にまたがってコンテンツ管理プラットフォームを利用する場合、Box Zonesを使用することで、データを保存している地域固有のコンプライアンス義務に対応することが可能となる。このため、どの国に従業員や顧客、パートナーを有しているかにかかわらず、クラウドの導入に伴う障壁を取り除き、世界中のあらゆる企業が一体となって業務を遂行できるようになる。

コラボレーション&ワークフロー商品

「コラボレーション&ワークフロー」商品は6種類で、主力商品は次のようなものだ。

コラボレーション・オン・ボックス(Collaboration on Box)

社内外にかかわらず、チームや個人が必要とするコンテンツに容易にアクセスでき、編集やファイル共有、作業の割り当てといった中心業務を行うための共有ワークプレースを設置することができる。

参加者によってワーキングスタイルは異なるため、携帯電話やデスクトップなど、どの端末機からでも利用が可能だ。

ボックス・リレー(Box Relay)

Box Relayは、企業のチームや顧客などが繰り返し行う作業を自動化することができる優れもの。特別な設計も必要なく、誰でも簡単にワークフローを作成できる。ワークフローの過程は、履歴としてデータ転送が可能なため、記録を基に作業のプロセスを最適化してさらに業務効率を高めることもできる。

ボックス・ノーツ(Box Notes)

オンラインメモリアプリのBox Notesは、どんな端末からでも、会議中のメモを取ったり、ビジネスレビューを整理したり、ニュースレターを書くことができる。

ソリューションサービスの提供

Boxはこれらの商品以外に、顧客や業界ごとの特徴に合わせてカスタマイズされたソリューションサービスを提供している。

近代的なデジタルワークプレースの構築とビジネスプロセスのデジタル化を総合的に支援する『ボックス・コンサルティング(Box Consulting)』のほか、クラウドコンテンツ管理やプラットフォームサービスを専門とするコンサルタントチームを長期で派遣する『ボックス・トランスフォーム(Box Transform)』がある。

中でも『ボックス・シャトル(Box Shuttle)』は、数百ギガバイトから数百テラバイトといった多量のデータを既存のファイルサーバーやクラウドデータソースから移し替えたい顧客にとっては最適なサービスとなっている。

非営利団体(NPO)を支援するBox.orgプログラム

Boxについてほかに特筆すべき点は、世界の非営利団体を支援する取り組みであるBox.orgだ。

Boxのウェブサイトによると、2020年9月現在、9,000以上の非営利団体にBoxへのアクセスや寄付、慈善活動、ボランティアサービスなどを提供し、その貢献額は年間約500万ドルに達している。Box.orgが協力している非営利団体の圧倒的多数(最近の調査では96%)は、クラウドコンテンツ管理とBox.orgによる取り組みが、組織のミッション達成にプラスの影響を与えていると回答している。


参照 10-K(提出日:2020年3月19日)

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