事業内容
沿革・会社概要
Cloudflare, Inc.(クラウドフレア)は、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)などを提供する企業。2009年、Matthew Prince(マシュー・プリンス氏)とLee Holloway(リー・ハロウェイ)氏、Michelle Zatlyn(ミッチェル・ザトリン)氏によって創業された。もともとCloudflareは、スパムメールの発信源を検出するシンプルなアプリケーションを提供する企業としてスタートした。その後、Webサイトをあらゆる規模や種類の攻撃から保護すると同時にパフォーマンスを最適化するサービスを提供する企業へと成長してきた。2019年9月、ニューヨーク証券取引所へ株式上場を果たす。
事業内容
Cloudflare, Inc.(クラウドフレア)は、CDNやインターネットセキュリティサービス、DDoS防御、分散型ドメイン名サーバシステムを提供している。Cloudflareのプラットフォームは、オンプレミス、ハイブリッド、クラウド、SaaSアプリケーション全体でセキュリティ、パフォーマンス、信頼性を提供するための使いやすい統合コントロールプラットフォームとして機能する。
1つの製品を使用してCloudflareのプラットフォームに参加したお客様は、Cloudflareの他の製品を採用することもでき、ワンクリックでシームレスに統合された製品を利用することができる。
製品・サービス
Cloudflareは、無料、従量課金制、契約制のプランでサービスを提供している。製品は、「セキュリティ、パフォーマンス、信頼性を提供するインフラストラクチャ向けソリューション」、「組織の内部リソースにサービスを提供するソリューション」、「プラットフォームベースのソリューション」、「コンシューマ向け製品」で構成されている。
Cloudflare for Infrastructure
Cloudflare for Infrastructureは、インターネットに公開されているリソースとインフラストラクチャが攻撃から安全で、高速で、信頼性が高いことを保証する製品である。
セキュリティ:Cloudflareは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミス、SaaSアプリケーション、IoTデバイスなど、あらゆるプラットフォームを保護する統合クラウドベースのセキュリティソリューションを提供している。クラウドファイアウォール、DDoS攻撃保護、IoTデバイス保護、トラフィック暗号化などのサービスが含まれている。
パフォーマンス:Cloudflareのパフォーマンスソリューションは、Webとモバイルのパフォーマンスを高速化することで、コンバージョンを向上させ、訪問者の体験を向上させる。コンテンツ配信短縮、最適化ルーティング、コンテンツ最適化、モバイル最適化、画像最適化、モバイルソフトウェア開発キット(SDK)などのサービスが含まれている。
信頼性:Cloudflareの信頼性ソリューションは、インターネットの全体的な運用経験を向上させ、顧客がデジタル運用をより効率的に実行できるようにする。ロードバランシング、仮想ネットワークバックボーン、世界最速のパブリックDNS、キャッシュオンラインなどのサービスが含まれている。
Cloudflare for Teams
Cloudflare for Teamsは、デバイス、ユーザー、アプリケーション、データなどの組織の内部リソースを保護する包括的なソリューションを提供する。2020年1月に、特許取得済みのブラウザ分離技術のS2 Systemsを買収し、アウトバウンドのインターネットトラフィックを安全にする『Cloudflare Gateway』への搭載を計画している。
プラットフォーム
『Cloudflare Worker』を使用することで、開発者はインフラや運用に時間と労力を費やすことなく、軽量な実行環境を介して既存のアプリケーションを拡張したり、まったく新しいアプリケーションを作成することができる。
コンシューマー向けサービス
Cloudflareのコンシューマー向けサービスは、個人の顧客に高性能で安全なインターネット体験を提供する。最速のパブリックDNSリゾルバ「1.1.1.1.1」やVPNサービス『Warp』は、Cloudflareブランドの認知度を高めるためのマーケティングチャネルにもなっている。
Cloudflareが提供するソリューションの特徴
WEBサイトをセキュリティ保護
数百万サイトのリアルな最新攻撃データを元に、AI、ビッグデータを活用、インテリジェンスなWAFシグネチャを自動適用し、WAF、 DDoS攻撃対策、SSLは、あらゆる種類のオンライン上の脅威からWebサイトの所有者と訪問者を守る。
WEBサイト表示パフォーマンスを高速化/コンテンツデリバリー最適化
顧客アクセスデバイスの種別、ネットワークを自動識別、速く、通信量を抑えてWEBサイトを表示、モバイル利用環境を高速化し、エンゲージメントとコンバージョン率を向上させる。
インフラ、セキュリティ関連コストを最適化
Cloudflareのソリューションを活用することで、従来のWAF、IPS運用の課題、「SOC(セキュリティオペレーションセンター)利用コスト」「専任のセキュリティ専門エンジニア」は不要となり、インフラ・セキュリティ関連コストが大幅に削減できる。
事業環境
今日、インターネットはビジネスの生命線であり、世界中の人々の商取引やコミュニケーションの主要な手段となっている。その一方で、耐障害性と堅牢な接続性を実現するように見事に設計されてきたネット環境は、今日のビジネスに必要なセキュリティ、ミリ秒単位のパフォーマンス、信頼性を実現するまでには至っていないのが現状である。
すでに何十年もの間、多くのベンダーは、オンラインで運営するビジネスのために、インターネットの核心的な制限や脆弱性に対処することに目を向けてきた。これらのベンダーは、セキュリティ、パフォーマンス、および信頼性に対する新たな要件に対応するために、さまざまな独立型のハードウェアを構築してきた。仮想プライベートネットワーク(VPN)、ファイアウォール、ルーティング、トラフィックの最適化、ロードバランシング、その他のネットワークサービスなどの機能を提供してきたのである。
これらを導入した組織には、膨大な複雑性、コスト、技術的な負債、依存関係の絡み合ったネットワークが発生したものの、一般的にこのアプローチは有効であり、インターネットの基本的なセキュリティ、パフォーマンス、信頼性の問題の一部を緩和することができた。
そんな状況のなかでクラウドが登場してきた。近年、テクノロジー業界では、顧客が購入するハードウェアやソフトウェアから、顧客がレンタルしてサービスを活用するクラウド上のサービスへの大規模な移行が行われている。
インターネットの根本的な問題をこれまで以上に解決するために、かつては頼りにしていた解決方法は、クラウド環境下で動作するように設計されたものではない。したがって、クラウドに移行しても、現在の解決方法では組織が直面している問題を解決することはできない。サポートの複雑さ、オーバーヘッドのコストを考慮すると、特定のネットワークのニーズにのみ対応する複数のポイントクラウドソリューションを組み合わせることになってしまう。それは大変に複雑なものであり、多くの人にとって手に負えるようなものではない。こうした問題を解決するために、顧客は単一のプラットフォームへ上で述べたような機能が統合されることを求めているのである。
そこでCloudflareはグローバルなクラウドプラットフォームを構築し、あらゆる規模、あらゆる地域の企業に幅広いネットワークサービスを提供している。より安全性を高め、ビジネスクリティカルなアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、個々のアプリケーションを管理するためのコストと複雑さを排除している。