本日、社長の交代を発表したブックオフコーポレーションについて見てみる。
ブックオフの業績は、2016年3月期売上高765億円、当期純損失5億2856万円と最終赤字に苦戦している。
ブックオフの事業セグメントは「リユース店舗」「ブックオフオンライン」「ハグオール」「パッケージメディア」「その他」の5つに分かれる。
リユース店舗事業
国内外にて「BOOKOFF」チェーンを運営。
ブックオフオンライン事業
オンライン・リユースECサイト「BOOKOFF Online」を運営。
ハグオール事業
子会社ハグオールにて、店舗型のビジネスに限定しないリユース業を運営。
パッケージメディア事業
「青山ブックセンター」「流水書房」「yc-vox」の店舗運営を行う。青山ブックセンターってブックオフだったのか...!
その他
各事業の店舗の内外装工事、商品加工業務、インターネットレビューサイト「ブクログ」の運営など。
有価証券報告書より抜粋。
ブックオフ店舗の売上が685億円、ブックオフECが56億円、ハグオールが9.7億円、パッケージメディアが122億円。グラフにしてみる。
リユース店舗事業が全体の9割近くを売り上げ、オンラインショップが7.3%ほど。ブックオフ事業全体への依存度がかなり大きいことがわかる。
ブックオフコーポレーションは2015年5月に「グループ中期事業計画」を策定している。将来の営業利益100億円、2020年3月期の営業利益40億円を目指すとのこと。
具体的な変革テーマとして、「『BOOKOFF』の変革」「総合リユース店舗の拡大」「ブックオフオンライン事業の拡大」「ハグオールの事業拡大と収益化」の4つを挙げている。
一つ目の「『BOOKOFF』の変革」では、「本だけじゃなくてどんな物でも売れる」「オンラインで買えるんだ」という2つの点をもっと訴求していくことを強調。
二つ目の「総合リユース店舗の拡大」では、新規出店やリパッケージにより総合リユース店舗形態である「BOOKOFF SUPER BAZAR」「BOOKOFF PLUS」の出店数を210店舗にまで拡大することを目指す。これは2015年4月末と比べて約3倍の規模。
また、新規商材である家電の取り扱いや「ヤフオク!」への出品などにより、リユース店舗事業の売上高を900億円にまで拡大することを目標としている。
三つ目の「ブックオフオンライン事業の拡大」では、ブックオフオンラインからの売上高を2020年3月期に100億円にまで拡大することを目指す。ここでも「ヤフオク!」との連携により販売効率の向上を狙う。
最後の「ハグオールの事業拡大と収益化」であるが、まずハグオールとはなんなのか。店舗に限定せずあらゆるチャネルで買取り、最適なチャネルで販売するリユースビジネスとのこと。これをちゃんと収益化するということかな。
この中期事業計画に伴い、「青山ブックセンター」などを運営するパッケージメディア事業などは縮小する予定とのこと。
見てて思ったのは、ブックオフの最大の強みは圧倒的な中古品の品揃えと、それを可能にする国内に張り巡らされたネットワークなのだと感じた。
ECサイト、ネットオークションやフリマなど、販売チャネルが多様化した今、自社店舗からの販売にこだわるのではなく、ヤフーと提携したりあらゆるチャネルを駆使して中古品在庫とそのネットワークを最大化することが彼らが生き残るために選んだ戦略なのだと思う。