椿山荘 × WHG × 箱根リゾート──藤田観光が描くインバウンド時代の“観光地化”モデル

コロナ禍で大打撃を受けた藤田観光が、2024年決算で売上高762億円、営業利益123億円を計上して大幅な伸びを示しました。営業利益・経常利益は過去最高益を更新、当期純利益も過去最高水準に達しています。
躍進の背景には、観光需要の回復と構造改革の成果があります。実際、2023年にはインバウンド(訪日外国人)需要がコロナ前の79%まで戻り、月によっては2019年実績を上回る水準となりました。
藤田観光はこうした需要を確実に取り込み、ホテル宿泊部門を中心に客室単価(ADR)と稼働率を大きく向上。人件費や光熱費の上昇はあったものの、営業固定費はコロナ前の2019年を下回る水準に抑えられ、収益増を実現しています。
2024年におけるインバウンド売上比率は52.1%に達し、外国人旅行客が売上の半分超を占めました。コロナ前からインバウンドには積極的でしたが、今後を見据えた打ち手を本格化させています。今回は、そんな藤田観光について紹介します。