クックパッドの2016年12月期の売上はおよそ168億円、営業利益は50億円。
子会社15社と関連会社1社を有し、報告セグメントはインターネット・メディア事業のみで、さらに次の2つに分類される。
レシピサービス事業
レシピサービス「クックパッド」を国内外で運営。
子会社は英国、米国、スペイン、インドネシア、レバノン共和国などにある。
その他インターネット・メディア事業
子会社のコーチ・ユナイテッドにてプライベートコーチの「サイタ」を運営。
「みんなのウェディング」は連結の範囲から除外されているらしいが、セグメント売上の大部分は占めているらしい。この辺よくわかってない。
全体の連結従業員数は321名で、クックパッド本社には225名の従業員がいるとのこと。
全体の売上高内訳
売上高166億円のうち、レシピサービス事業の売上が144億円で全体の85%を占める。その他インターネットメディアの売上は22億円で13%。決算説明会資料によれば、主に「みんなのウェディング」の売上らしい。
レシピサービス事業の売上144億円のうち、会員事業の売上は89億円でおよそ62%を占める。広告事業は51億円(35%)、買物情報事業は3億円(2%)の売上。
有価証券報告書にあった元データをみる。
最大の収益源である会員事業の成長率は+34.7%、広告事業は+9.1%。
その他インターネット・メディア事業は+46%伸びており、全体として+26.3%の成長。
海外収益についても知りたかったが、「国内収益が大部分を占める」として記載がなかった。海外事業はまだまだ発展途上のようだ。
今後のクックパッドは成長を続けることができるだろうか。決算説明会資料からスライドをいくつか引用する。
何より重要な国内での「クックパッド」の利用状況。成長は鈍化しているが、月次利用者数は6327万人で、アプリやスマホブラウザの割合が増えていってる。これに関しては日本の人口的にも、さらに大きく成長することは考えにくい。
将来的な成長のために重要と思われる海外の利用者数は3529万人。先の報告と合わせると、これだけユーザーがいても収益化が進んでいないということになる。
興味深いのは3529万人のうち過半数(1883万人)がスペイン語圏だという点。
英語圏の進捗が鈍いのが少し残念だが、理由が気になるところ。
クックパッドは、経営陣の変更に伴い、多角化が進んでいた事業の集中を経営方針として打ち出している。これにより余った経営リソースをいかに成長に繋げられるかが今後の勝負どころである。
そこで問題になるのは、サービスとしての「クックパッド」に集中したところで、まだ成長の余地があるのか?という点である。
クックパッドの売上規模が「ユーザー数」×「ユーザー一人当たりの収益性」で決まると考えると、国内のユーザー数が飽和してきているのは痛い。なので、売上をさらに伸ばすためには、
① 国内ユーザー一人当たりの収益性をあげる
② 海外のユーザー数を増やし、収益化する
以外に方法はないと思う。
①は何だろうなー。個人の有料会員がまだ伸びるかは疑問だし、タイアップ広告などで企業からの収益を増やしていくしかない気がする。どちらにせよ、爆発的に伸びる可能性が高いか?と言われると答えはノーである。
②がおそらく本命だと思うが、すでにユーザーがいるスペインで収益化できるのか、英語圏でユーザー数を伸ばせるのかというのが課題になると思う。
仮にスペインで収益化できても日本以上にはならないだろう(スペインの人口は5000万人以下)し、やはり人口の大きな英語圏のユーザーが欲しいところ。あるいは中国とか。