クラウドワークスの2016年9月期の営業収益は12億円、経常損失が5.9億円。
2016年9月時点で104.8万人を超える登録ユーザーがおり、総合契約額は45億円を突破。外務省・経産省などの政府8省や、約40の地方自治体、上場企業を含む13.8万社を超える企業がクライアントとして活用。約半数のクライアントが継続利用(2回以上仕事を依頼)している。
サービスの形態には以下の二つがある。
①「クラウドワークス」サイト上で仕事のマッチングを行うプラットフォームサービス
② クラウドワークス社と発注企業が直接契約を結ぶエンタープライズサービス
プラットフォームサービスの特徴
・開発やデザイン、ものづくりまで広いジャンルの仕事の受発注ができる
・受発注プロセスのすべてがオンライン上で完結
・仕事の依頼から契約まで無料(契約金額の一部をシステム利用料として徴収)
・安心して取引できる決済システム
・依頼したい内容に合わせて選べる発注形式(コンペ形式、タスク形式、プロジェクト形式(固定報酬制または時給制)
・取引終了後の相互評価と実績の蓄積
・完全内製の「フルスタック・ユーザーサポート」
エンタープライズサービスの特徴
・ソリューション提案に強みを持つ営業体制
・確実な品質、納期管理としくみ化を実現する社内ディレクション体制
・長期契約可能なクラウドワーカーに特化したマッチング支援「クラウドテック」
特徴けっこうある。
総契約数はかなりのスピードで伸長している。4年前の6000万円から、45億円に成長。
2016年9月30日時点での従業員数は137名、平均年齢は29.8歳。
プラットフォームサービスとエンタープライズサービスの売上詳細は有価証券報告書内にはなかったが、決算説明会資料にそれに近い情報を見つけた。
足せば年間の総契約額出るな。759 + 869 + 958 + 1061 = 3647だからプラットフォームサービスの年間総契約額は36.47億円。
一方のエンタープライズサービスは231 + 257 + 198 + 233 = 919で9.19億円。合わせると確かに45億円くらいになる。
比率を比べると、総契約額の8割ほどがプラットフォームサービスということに。報告書によると、エンタープライズサービスで獲得したクライアントが、プラットフォームサービスで継続利用してくれているとのこと。
最後に、クラウドワークスは伸びているがまだ黒字化していない。コストの詳細を見ておいて、どういう状況なのかを知っておきたい。具体的には、売上が伸びれば現在の赤字は解決するのか、それとももっと構造的な問題なのかどうか。
営業収益12.29億円に対し、営業費用が18.22億円。
そのうち給料手当が6.46億円、広告宣伝費が1.96億円か。この二つで8.4億円くらい。
売上原価などの情報は得られなかった。そっちの方が知りたいけど。。。と思っていたらこれも決算説明会資料に少し詳しい情報があった。
合算してみよう。
広告宣伝費が19 + 68 + 65 + 42 = 194
その他費用が145 + 111 + 107 + 131 = 494
外注費が15 + 23 + 32 + 39 = 109
人件費が220 + 248 + 275 + 273 = 1016
合計すると18.13億円ということで全体の営業費用とおおむね一致。
グラフにしてみる。
全体の56%ほどが人件費、10%ほどが広告宣伝費、6%ほどが外注費となっている。
その他が大きいのが気にはなるが、人件費を削るというわけにもいかなさそうなので、コストをあまり上げずに売上を伸ばせるかどうか、というのが今後、一番のポイントになりそう。