2017年に上場した企業の時価総額や業績などを比較する記事(リンク)もありましたが、このシリーズでは全ての会社の事業内容を見ていきたいと思います。
今年は現時点で61社の上場が決まっています。そこで、今回は1月と2月に上場した7社を見ていきましょう。
まずは会社のリストです。
会社名 | 時価総額 |
AOI TYO Holdings | 271.70億 |
レノバ | 204.05億 |
ユナイテッド&コレクティブ | 49.38億 |
日宣 | 43.34億 |
FCホールディングス | 39.53億 |
シャノン | 36.83億 |
安江工務店 | 19.86億 |
では、1社ずつチェックしていきます。
AOI TYO Holdings(アオイ ティーワイオー ホールディングス)は、東京白金に本社を構える会社。
2017年1月に、(株)AOI Pro.と(株)ティー・ワイ・オーの統合により設立された、広告制作グループ企業で、テレビCMの制作などを行なっています。
傘下には「ワサビ」「シースリーフィルム」「大日」「メディア・ガーデン」「ビジネス・アーキテクツ」などのブランド(子会社)を抱えています。
2017年Q2の決算説明資料を見てみます。
全部で32社、従業員数1736名という規模。
2Q時点での売上高は337億円、営業利益23億円という規模です。営業利益率は6.9%ということになります。
レノバは、太陽光・バイオマス・風力・地熱など再生可能エネルギーの発電施設を開発・運営し、電力会社に提供する会社です。
2000年5月に設立され、当初は環境エネルギー分野での調査コンサルティング会社としてスタートしました。
再生可能エネルギー事業に参入したのは2012年のことです。現在の連結従業員数は72名。
2017年5月期の決算説明資料を見てみます。
売上高は82億円という規模で、過去の実績を見ると階段状に成長してきているようです。中でも再生可能エネルギー事業の成長は著しいことがわかります。
EBITDAの推移です。2017年5月期のEBITDAは50億円を超え、EBITDAマージンは61%に達しています。その中で、再生可能エネルギー事業は48億円近くあり、迅速に事業モデルの転換を遂げていることがわかります。
営業利益率で見ても33.8%と、収益性は高いことがわかります。
ユナイテッド&コレクティブは飲食店チェーンを展開する企業です。
展開するブランドは次の3つ。
・高度成長期をコンセプトにした店内で、「にんにく醤油ダレ」を使った焼き鳥を提供する「てけてけ」
・“Real Fresh ,Real Burger”がコンセプトのハンバーガー店「the 3rd Burger」
・「日本の潔さ」をコンセプトとする和食居酒屋「心」
2017年2月期の決算説明資料を見てみます。
ISP戦略(In Store Preparation)として、上の5つの打ち手を用意することで高い品質を維持しているようです。
最後に業績です。
売上高は54億円、粗利益は40億円、営業利益は2.5億円となっています。粗利率73%というのは高い気がします。
日宣は昭和22年(1947年)に創業者大津健二郎が神戸市にて宣伝五洋社として創業した広告会社です。
現在はマーケティング戦略立案、クリエイティブ開発、媒体発行、印刷業務、プロモーション業務、テレマーケティングなどを展開。
2017年2月期の決算説明資料をみてみます。
売上高は47億円、営業利益3.7億円という規模です。
FCホールディングスは福岡市に本店をおく企業。1949年に福山工務店として創業したのが始まりです。
現在は傘下の福山コンサルタントで交通調査・解析や環境調査を行うなど、交通計画・都市計画・環境計画にまつわる事業を展開しています。
2017年Q2の株主通信をみてみます。
第2四半期時点で67億円を受注し、そのうち10億円弱が売上となっています。
営業損失が3億円強となっていますが、通期予想では5億円のプラスとなっています。季節性があるのでしょうね。
業務委託契約の納期が第4四半期に集中するため、売上高が第4四半期に集中するとのこと。
シャノンは「マーケティングオートメーション」のリーディングカンパニーをうたっています。
2000年8月に設立され、2011年には「シャノンマーケティングプラットフォーム」をリリース。同年に米国のSaaS企業セールスフォースと資本提携を結び、2015年には世界的データ分析ツールリーダー「Tableau」とも業務提携を結んでいます。
2017年10月期Q2の決算説明資料をみてみます。
シャノンマーケティングプラットフォームというクラウドサービスを利用すれば、「マーケティングオートメーション」「イベントマーケティング」という二つのソリューションを導入できるとのこと。
2Q時点での売上高は7.8億円。そのうち5.3億円がマーケティングオートメーション、残り2.5億円がイベントマーティングによる売上です。
営業利益は3000万円ということで、営業利益率は3.8%ということになります。
最後に、安江工務店です。
安江工務店はリフォームやリノベーション工事を行う名古屋の会社で、1970年創業の歴史の長い会社。
2017年Q2の決算説明資料をみてみます。
この会社遠隔はわかりやすいですね。
新築・住宅リフォームの2本立てとして始まり、2000年からリフォームに特化。2010年以降は再び、住まいのワンストップサービスとして事業を展開しています。
住宅リフォーム事業を柱とし、新築住宅事業と不動産流通事業も展開しています。
全体の年間売上は39億円ほどで、そのうち30億円あまりが住宅リフォーム事業となっています。
営業利益は3億円で、営業利益率は7.9%ということになります。
今年のQ2の業績です。
売上は16億円で、前年より1.4%減少しています。営業損失が2800万円と赤字。
今後どうなっていくのか注目です。