事業内容
山王株式会社とその子会社2社、Sanno Philippines Manufacturing Corporation(SPMC)およびSanno Land Corporation(SLC)は、電子部品の精密プレス加工と金型製作、貴金属表面処理加工を主な事業としています。同社グループは、これらの工程を一貫して行うことで、顧客の要求する品質、価格、納期に対応しています。
精密プレス加工では、主にコネクタメーカーからの依頼に基づき、コネクタ用のプレス金型の設計・製作を行い、その金型を使用して銅合金などの材料をプレス加工しています。特に、携帯機器などの小型化に対応するため、極めて細かい寸法管理を行っており、製品の厚さやピッチ(ピン間隔)に至るまで高い精度での加工を実現しています。
表面処理加工では、コネクタやスイッチ、ICソケットなどの接点部品に対して、高速金めっき加工やパラジウムニッケル合金めっき加工、錫めっき加工などを行っています。特に、精密部分金めっき加工や環境に配慮した鉛を含まない半田めっき加工をリールtoリール方式で提供しています。
同社グループが手がける電子部品は、パソコン関係、携帯電話、車載機器、デジタル家電、産業用機器、ゲーム機器、カード用機器、その他多岐にわたる用途に使用されています。これらの事業を通じて、山王株式会社グループは、電子部品の精密加工と表面処理の分野で幅広いニーズに応えています。
経営方針
山王株式会社は、電子部品の精密プレス加工と金型製作、貴金属表面処理加工を主な事業としており、その子会社2社と共に、顧客の要求する品質、価格、納期に対応する一貫した工程を提供しています。同社は、創業から受け継がれる社会貢献の精神を基に、社会のインフラを支えることを目的としており、そのための中期経営計画を策定しています。
具体的には、受注拡大と生産体制の増強・収益力の強化を主要戦略として掲げ、2022年から2023年にかけてこれらの戦略を推進し、成果を挙げています。2024年に向けても、これらの戦略の推進に加え、環境変化に応じた体制整備を進めることで、全てのステークホルダーの期待に応えることを目指しています。
重点課題としては、受注拡大、生産体制の増強とシステム化の推進、人材育成、環境への取り組みなどを挙げており、市場の変化に対応するために東北事業部への新ライン建設等の設備増強を実行しています。また、売上高9,600百万円、営業利益220百万円、経常利益270百万円を目指しています。
さらに、新規事業推進として、2050年カーボンニュートラル達成に向けた水素エネルギー開発に注力しています。特に、水素透過膜の開発においては、同社の貴金属めっき技術を応用し、低コストかつ水素の透過量を増大させる技術を開発しており、これが水素精製装置の小型化要求に応えることを目指しています。
山王株式会社は、技術的差別化と環境への取り組みを通じて、持続可能な成長を目指しています。