事業内容
特殊電極は、溶接技術の開発と総合的な技術力を活かし、多岐にわたる事業を展開しています。主に、溶接工事の施工、溶接材料、特殊溶接を施した鋼板、溶接装置、溶接手法及びその技術から派生した応用商品を提供しています。特に、機械部品等の表面に金属を盛り上げる「肉盛溶接技術」を中心に、その技術を用いた肉盛溶接材料の開発に力を入れています。
同社の事業は大きく分けて四つのセグメントに分類されます。第一に「工事施工」セグメントでは、製鉄、石油化学、セメントから家電、自動車、食品産業まで、幅広い業種の製造設備に関わる溶接施工を行っており、特に鉄鋼・自動車産業の設備メンテナンスを主力としています。特殊材料溶接や耐摩耗肉盛溶接技術が特徴です。
第二の「溶接材料」セグメントでは、特殊溶接用材料の仕入れ、製造、販売を手掛けており、フラックス入りワイヤや被覆アーク溶接棒などを提供しています。これらの材料は、設備部品の延命対策や補修・再生時に使用されます。
第三に「環境関連装置」セグメントでは、省エネや作業環境改善を目的とした装置の製造・販売を行っており、自動車関連の鋳造された粗材を冷却する装置や金型加熱装置、自動搬送車(AGV)による搬送ライン装置などがあります。
最後に「その他」セグメントでは、主に自動車産業向けにアルミダイカストマシン用部品の仕入れ、製造、販売を行っています。これらの事業を通じて、特殊電極は多様な産業に対して高度な溶接技術と製品を提供し、その技術力で市場に貢献しています。
経営方針
特殊電極株式会社は、溶接技術の開発と総合的な技術力を活かし、多岐にわたる事業を展開している企業です。同社は、経営基盤の強化と社会への貢献を目指し、様々な成長戦略を推進しています。
同社の経営方針は、景気に左右されない経営基盤の構築と、社会への貢献を通じて、従業員が誇りを持てる企業を実現することです。この目標を達成するために、安全衛生管理、品質、コンプライアンス、環境といった複数の方針を掲げています。
中期経営計画では、技術的な優位性の確保、顧客密着型営業の推進、収益性の高い事業へのシフト、コスト削減、人材育成、安全確保と業務効率化への投資、海外市場の開拓など、多角的な施策を実施しています。これらの施策は、同社が直面する経営環境の変化に対応し、持続可能な成長を目指すためのものです。
特に、研究開発の推進による技術的な優位性の確保と、顧客との密接な関係を維持する直販体制の堅持は、同社の競争力を高める重要な要素です。また、海外市場の開拓や新規得意先の獲得により、国内市場の縮小に対応し、新たな成長機会を追求しています。
同社は、これらの成長戦略を通じて、安定的な利益の確保と株主利益の重視、経営の効率化を目指しています。売上高、売上総利益、営業利益、経常利益を重要な指標として位置づけ、経営基盤の強化を図っています。