事業内容
フェリシモは、主に通信販売事業を展開している企業で、その事業内容は単一セグメントに集約されています。同社は、日本国内で服飾・服飾雑貨(衣料品、身の回り品)、生活関連品(住宅用品、生活用品、美容健康関連、手芸・余暇関連、食品)などの販売を行っており、カタログやインターネットを通じた通信販売が主な事業モデルです。
フェリシモ独自の「フェリシモ定期便」は、顧客が定期的に商品を受け取るサービスで、毎月1回商品を届ける仕組みを採用しています。このサービスでは、単に商品を販売するだけでなく、カタログを通じて暮らしの夢やスタイルを提案し、情報価値を提供しています。また、インターネットを利用した商品販売や、お届け状況の確認、支払いサービスも提供しています。
さらに、フェリシモは注文受付から問い合わせ対応、情報処理、商品管理、注文品の発送までを自社の受注・物流センターで一貫して行っています。これにより、効率的な運営と顧客サービスの向上を図っています。
また、同社はカタログや書籍の出版も手がけており、これらを取次会社に卸して書店やコンビニエンスストアで販売しています。このように、フェリシモは通信販売を核としながらも、出版事業を含む幅広いサービスを提供している企業です。
経営方針
フェリシモは、通信販売を主軸に展開する企業であり、経営理念「しあわせ社会学の確立と実践」のもと、持続的な成長を目指しています。同社は、顧客基盤の拡大、顧客との継続的な関係育成、第2の収益の柱の育成を三つの重点領域として掲げています。
中核事業である「フェリシモ定期便」の構造強化に注力し、新たな顧客接点開発のため「積層型ゲートウェイ」の構築を進めています。これは、ライフステージの変化をマーケティングのタイミングと捉え、顧客基盤の拡大を目指す戦略です。また、定期便を通じた顧客体験の充実を図り、継続的な関係育成に努めています。
新規事業においては、中核事業に依存しない収益の柱を育成することで、事業ポートフォリオの最適化と安定経営を目指しています。具体的には、「出品・出稿型のプラットフォーム開放事業」、「物流EC支援事業」、そしてサブスクリプションサービス「EIZOKU」を統合した「ビジネスプロデュース事業」を展開し、顧客シナジーの強化とサービス利用対象の拡大を図っています。
これらの戦略により、フェリシモは2024年2月期に売上高33,367百万円(前期比3.8%増)を計画しており、新たな人材の確保や次世代Webシステム基盤の整備などに積極的に投資しています。しかし、原材料価格の高騰や物流関連費用の増加などの課題にも直面しており、これらを踏まえた合理的な計画に基づき、営業利益や当期純利益の見通しを設定しています。フェリシモは、これらの成長戦略を通じて、安定した経営基盤の構築とさらなる成長を目指しています。