事業内容
沿革・会社概要
Acacia Communications, Inc.（アカシア・コミュニケーションズ）は、コヒーレント光相互接続製品の配信事業を行う企業だ。コヒーレントとは、波動が互いに干渉しあう性質を持つことを表す言葉で、二つまたは複数の波の振幅と位相の間に、一定の関係があることを意味する。Acacia Communicationsは、同様のコヒーレント光を持つレーザーを使った光信号を検出する製品を開発している企業であり、この技術を使って光ファイバ通信システムと光学測定およびセンサーの両方で役立っている。Acacia Communicationsは、コヒーレント光相互接続技術を活用することで、長距離DWDMネットワークの単一波長で100ギガビット/秒の転送を可能にした。
Acacia Communicationsのミッションは、性能と容量の向上と関連コストを削減することを目的とし、クラウド・インフラ事業者やコンテンツ・通信サービス・プロバイダーが信頼する通信ネットワークを変革する高速コヒーレント光インターコネクト製品を提供することだ。
Acacia Communicationsの製品は、組み込みモジュール、プラガブル・モジュール、半導体の3つの製品グループに分類されます。Acacia Communicationsの組み込みモジュールおよびプラガブルモジュール製品グループは、長距離、メトロ、データセンター間の市場で使用される100～1,200ギガビット/秒（Gbps）の伝送速度を持つ光相互接続モジュールで構成されている。Acacia Communicationsの半導体製品グループは、低消費電力コヒーレントデジタル信号プロセッサ専用集積回路（DSP ASIC）とシリコンフォトニック集積回路（シリコンPIC）で構成されている。
Acacia Communicationsは、自社開発のモジュールや他のマーチャントモジュールに統合するために、スタンドアローンベースでサービスとして顧客に提供しています。また、Acacia Communicationsのプラガブルモジュール製品群を拡大し、QSFP-DDやOSFPなどの400Gクライアントオプティクスで使用されている小型プラガブルフォームファクタで400Gbpsのデータセンター間伝送容量を実現する400ZRモジュールの開発も進めている。
2019年7月、Cisco SystemsがAcacia Communicationsを約26億ドルで買収する意向を発表した。（※2020年7月時点では中国国家市場監督管理総局（SAMR）の承認待ちで買収は未完了となっている）
事業内容・サービス内容
Acacia Communicationsの製品は、光インターコネクトにおけるデジタル信号処理と光機能の大部分を実行する組み込みモジュールで、低消費電力、高密度、高速を魅力的な価格帯で提供する。標準インターフェースを使用することで、Acacia Communicationsのモジュールは顧客のネットワーク機器に簡単に統合することができる。モジュールに搭載されている高度なソフトウェアは、コンフィギュラビリティ（設定や構成を任意に変更することが可能であるということ）の向上と自動化を可能にし、ネットワークと接続ポイントの特性を把握し、ネットワーク性能の問題を特定するのに役立つ。これらは、すべてが柔軟性の向上と運用コストの削減につながるものだ。
Acacia CommunicationsのコヒーレントDSP ASICおよびシリコンPICは、CMOS（相補的金属酸化物半導体）を使用して製造されている。CMOSは幅広く利用されていて、費用対効果の高い半導体プロセス技術である。光インターコネクト技術をシリコン化するためにCMOSを使用することによって、製品の高機能化、CMOSに関連する歩留まりと信頼性の向上、CMOSの性能と密度の定期的な向上を活用したコスト削減を実現している。
また、CMOSを使用することで、Acacia Communicationsの製品を製造するためにカスタムファブリケーションが必要にならず、外注のファウンドリーサービスを利用することも可能となる。さらに、CMOSとCMOS互換プロセスを使用することで、CMOSに依存している他のコンピュータおよび通信市場が推進している技術、製造、統合の改善を活用することも可能となる。
Acacia Communicationsのエンジニアリングチームとマネジメントチームは、光システムとネットワーク、デジタル信号処理、大規模ASICの設計と検証、シリコンフォトニック設計と統合、システムソフトウェア開発、ハードウェア設計、高速エレクトロニクス設計の分野で豊富な経験を持っている。さまざまな先端技術、方法論、プロセスにおける幅広い専門知識は、Acacia Communicationsのイノベーション、設計、開発能力を強化することを可能とするから、最先端の光インターコネクト・モジュール、コヒーレントDSP ASIC、シリコンPICの開発と導入が今後期待できる。
Acacia Communicationsは、大手ネットワーク機器メーカー、ネットワーク事業者、クラウド・サービス・プロバイダーに直販部隊を通じて製品を販売している。2018年12月31日、2017年12月31日、2016年12月31日に終了した年度のAcacia Communicationsの収益は、それぞれ3億3990万ドル、3億8520万ドル、4億7840万ドルであった。2018年12月31日、2017年12月31日および2016年に終了した年度のAcacia Communicationsの純利益は、それぞれ490万ドル、3850万ドル、1億3160万ドルであった。
