事業内容
日清紡ホールディングスは、多様な事業セグメントを持つ企業グループです。無線・通信分野では、日本無線株式会社と株式会社国際電気が中心となり、防災システムや無線通信システム、情報処理システム、放送システム、監視システム、画像処理などの社会インフラ関連製品を提供しています。また、JRCモビリティ株式会社は車載用レーダや交通インフラ向け通信・センサを展開しています。
マイクロデバイス分野では、日清紡マイクロデバイス株式会社がアナログ半導体、SAWフィルタ、小型・省電力の電源IC製品などの電子デバイス製品やマイクロ波製品を提供しています。ブレーキ分野では、日清紡ブレーキ株式会社が自動車用ブレーキ摩擦材を製造販売し、韓国のSAERONグループとともに世界的に製品を供給しています。
精密機器分野では、日清紡メカトロニクス株式会社が成形品事業、精密部品事業、システム機事業を展開しています。成形品事業では、空調機器用ファンや自動車のヘッドランプ周辺製品を製造販売し、精密部品事業では電子制御ブレーキシステム用精密部品加工を行っています。
化学品分野では、日清紡ケミカル株式会社が断熱材などのウレタン製品、樹脂改質剤などの高機能化学品、燃料電池用カーボンセパレータ及びカーボン製品の製造販売を行っています。繊維分野では、日清紡テキスタイル株式会社がシャツ事業、テキスタイル事業、開発素材事業を展開し、形態安定加工シャツやユニフォーム用製品、スパンデックスや不織布、エラストマー関連製品を製造販売しています。
不動産分野では、日清紡ホールディングスが商業施設等の賃貸や不動産販売を行っています。その他の分野では、ニッシントーア・岩尾株式会社が食品の卸売販売や産業資材の販売を行っています。これらの多様な事業セグメントを通じて、日清紡ホールディングスは幅広い市場ニーズに応えています。
経営方針
日清紡ホールディングスは、企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」を掲げ、成長戦略を推進しています。同社は「モビリティ」「インフラストラクチャー&セーフティー」「ライフ&ヘルスケア」の3つの戦略的事業領域を定め、無線・通信事業、マイクロデバイス事業、ブレーキ事業を柱に事業を展開しています。
同社は、M&Aや事業譲渡を通じて収益基盤の強化を図り、特に無線・通信事業とマイクロデバイス事業に注力しています。2024年には、これらの事業が売上高の6割を超える見込みです。2026年度を最終年度とする「中期経営計画2026」では、利益率の向上と持続的成長を目指し、事業ポートフォリオの変革を進めています。
「中期経営計画2026」では、無線・通信事業の構造改革を最優先課題とし、公共インフラ事業や防衛関連事業でのシナジー効果を追求しています。また、デジタル技術を活用したビジネスモデルへの転換を図り、収益性の向上を目指しています。これにより、社会課題の解決に貢献することを目指しています。
サステナビリティ経営にも注力し、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を掲げています。多様性とイノベーションを推進し、企業価値の向上を図るとともに、社会的責任を果たすことを重視しています。
日清紡ホールディングスは、無線通信技術を中心に、5G時代を見据えた研究開発を強化しています。サービス、ソフトウェア、AIなどを研究対象とし、新たなビジネスモデルの創出を図り、社会課題への貢献を第一に考えています。これにより、持続可能な成長を実現し、ステークホルダーの期待に応えています。