アークランドサービスホールディングス

アークランドサービスホールディングス株式会社は、東京都千代田区に本社をおく会社。平成5年に創業し、平成10年にとんかつ専門店の「かつや」1号店を開店、翌年から「かつや」フランチャイズ事業への展開を開始。平成14年には直営・FC合わせて100店舗を達成し、平成19年にJASDAQに上場。「かつや」のほかに「肉めし 岡むら屋」「新橋ぎょうざ」「からやま」「浅草 縁」などの店舗を展開。

アークランドサービスホールディングス

アークランドサービスホールディングス株式会社は、東京都千代田区に本社をおく会社。平成5年に創業し、平成10年にとんかつ専門店の「かつや」1号店を開店、翌年から「かつや」フランチャイズ事業への展開を開始。平成14年には直営・FC合わせて100店舗を達成し、平成19年にJASDAQに上場。「かつや」のほかに「肉めし 岡むら屋」「新橋ぎょうざ」「からやま」「浅草 縁」などの店舗を展開。

事業内容

沿革・会社概要

アークランドサービスホールディングス株式会社は、東京都千代田区に本社をおく会社。新潟に拠点を置くホームセンター「アークランドサカモト」が外食事業として平成5年に創業し、平成10年にとんかつ専門店の「かつや」1号店を開店した。翌年から「かつや」フランチャイズ事業への展開を開始。平成14年には直営・FC合わせて100店舗を達成し、平成19年にJASDAQに上場。「かつや」のほかに「肉めし 岡むら屋」「新橋ぎょうざ」「からやま」「浅草 縁」などの店舗を展開。

事業内容

アークランドサービスホールディングスグループは、アークランドサービスホールディングス、子会社9社及び関連会社5社により構成されている。アークランドサービスホールディングスは、とんかつ専門店「かつや」を中心とする飲食店の経営及びフランチャイズチェーン本部の運営を主な事業とする。飲食事業は「かつや(国内)事業 」「からやま・からあげ縁(国内)事業」「海外事業」「その他事業」で構成される。

かつや(国内)事業

かつや(国内)事業は、グループ主力事業である国内のとんかつ専門店「かつや」を子会社が直接運営する店舗及びFC本部の運営を行っている。2019年12月末現在で、国内のとんかつ専門店「かつや」は、直営店129店舗、FC店277店舗の計406店舗を展開している。

からやま・からあげ縁(国内)事業

からやま・からあげ縁(国内)事業は、国内のからあげ専門店「からやま」「からあげ縁」を子会社が直接運営する店舗及びFC本部の運営を行っている。2019年12月末現在で、国内のからあげ専門店「からやま」、「からあげ縁」は、直営店44店舗、FC店66店舗の計110店舗を展開している。

海外事業

海外事業は、海外のとんかつ専門店「かつや」、からあげ専門店「からやま」並びに「野菜を食べるカレーcamp」他を子会社が直接運営する店舗及びFC本部の運営を行っている。2019年12月末現在で、海外のとんかつ専門店「かつや」は55店舗、からあげ専門店「からやま」は7店舗、「野菜を食べるカレーcamp」他は3店舗の計 65店舗を展開している。

その他

とんかつ業態、からあげ業態以外では、肉めし「岡むら屋」、イタリアンカフェ「チェントペルチェント」、国内の「野菜を食べるカレーcamp」等、2019年12月末現在で27店舗を展開している。また、飲食店・量販店向けの食肉加工品の製造・販売を行う食肉加工事業及び不動産賃貸事業等を行っている。なお、アークランドサービスホールディングスの親会社はアークランドサカモト株式会社であり、主な事業はホームセンターの経営である。またアークランドサービスホールディングスグループは同社との間で、不動産の賃貸借を行っている。

かつや地域別出店状況は、2019年12月末現在、直営店132店舗、FC店329店舗の合計461店舗となっており、うち海外は直営店3店舗、FC店52店舗の合計55店舗となっている。

ビジネスモデル・フランチャイズチェーン契約形態

アークランドサービスホールディングスグループは、「かつや」フランチャイズチェーンを展開するために、株式会社かつやと加盟店との間で加盟契約を締結している。

「かつや」フランチャイズチェーン加盟契約

「かつや」フランチャイズチェーン加盟契約では、株式会社かつやが統括し、かつ開発したノウハウに基づいて運営される「かつや」フランチャイズチェーンに加入し、加盟店として契約に定めた場所において、また本部が定める商標及び本部が供給する食材や厨房設備等の使用によって店舗を自ら開店し、経営する権限を付与する。

フランチャイズチェーン契約は、店舗を開店した日から満5年間又は、契約した日から5年6ヶ月間のいずれか先に到来する期日までその効力を有する。加盟店より契約期間満了の3ヶ月前までに書面にて更新しない旨の意思表示がない場合には、本契約はさらに同一内容で自動的に5年間更新されるものとし、以後の期間満了の場合も同様とする。

契約条件は以下の通り。

加盟金:契約締結時に500万円を支払う。
加盟保証金:契約店舗開店日10日前までに200万円を支払う。
更新料:期間満了の80日前までに100万円を支払う。
ロイヤルティ:当該加盟店の累計出店店舗数に応じて、売上高に次の適用率を乗ずる。「累計店舗数3店舗以下:5.0%」「4~6店舗:4.5%」「7~9店舗:4.0%」「10~19店舗:3.5%」「20店舗以上:3.0%」

「かつや」フランチャイズチェーン加盟契約(区域内複数出店契約)

株式会社かつやが統括し、かつ開発したノウハウに基づいて運営される「かつや」フランチャイズチェーンに加入し、加盟店として契約に定めた場所(区域内)において、また本部が定める商標及び本部が供給する食材や厨房設備等の使用によって店舗を自ら開店し、経営する権限を付与する。なお、契約等で定めた区域内においては、開店店舗数の制限はない。※区域とは、市、県又は複数市、複数県の広域範囲とする。

フランチャイズチェーン契約は、契約した日から5年間その効力を有する。加盟店より契約期間満了の3ヶ月前までに書面にて更新しない旨の意思表示がない場合には、本契約はさらに同一内容で自動的に5年間更新されるものとし、以後の期間満了の場合も同様とする。

契約条件は以下の通り。

加盟金:契約締結時に一定額を支払う。
加盟保証金:契約店舗1店舗開店毎に開店日10日前までに一定額を支払う。
更新料:次の計算式に基づいて算出した金額を期間満了の80日前までに支払う。「更新料=本契約店舗の合計営業月数÷60ヶ月(5年)×100万円」※本契約店舗の合計営業月数は本契約期間で算出する。
ロイヤルティ:当該加盟店の累計出店店舗数に応じて、売上高に次の適用率を乗ずる。「累計店舗数3店舗以下:5.0%」「4~6店舗:4.5%」「7~9店舗:4.0%」「10~19店舗:3.5%」「20店舗以上:3.0%」

経営方針

アークランドサービスホールディングスグループは、「永劫繁栄、成果主義、少数精鋭、不可能と思うことを可能にする挑戦」の基本理念の下、「高品質なとんかつをお値打ち価格で提供する。」をコンセプトとしている。1998年8月に独自業態である「かつや」 を立ち上げ、今後は、新規業態と併せ店舗数拡大と更なる成長を目指していく方針である。

経営指標

アークランドサービスホールディングスグループでは、売上高経常利益率を重要な経営指標目標と考えている。具体的には低原価・低価格・高品質・高収益を追求した新規業態の開発と「かつや」の更なる収益構造の改善を進め、現状の10%以上の経常 利益率を今後も維持し続けることである。また、出店の加速と人材の育成に注力し、外食業界において利益率・成長率の高い企業を目指していく方針である。

中長期的な会社の経営戦略

アークランドサービスホールディングスグループは、主力業態である「かつや」の客数拡大を重点課題として、様々な施策を実施し、順調に業績を伸ばしてきている。今後はさらに飛躍させるべく、店舗におけるQSCAの維持・向上と、「かつや」の既存商品の改善と業態の拡張に注力し、平均月商の引き上げと出店の拡大を図っていく。また、新業態の開発にも積極的に取り組み、「かつや」に次ぐ新業態の開発を積極的に行い、事業規模の拡大を図っていく方針である。

経営環境及び対処すべき課題等

アークランドサービスホールディングスグループは、主力業態である「かつや」の客数拡大を重点課題とし、既存店客数前年比100%以上の達成を目指し、改めて、「原点回帰」をキーワードに、既存店の客数の拡大に集中した取り組みを実施していく。また、目標である売上高1,000億円達成に向け、「商品力」「営業力」を磨くための施策を中心に取り組みを実施していく方針である。具体的な対策は次の3つとなっている。

和食ファストフード業態への再構築

食材、人件費、採用費など様々なコストの上昇に伴い収益性が低下してきている環境下である。そんな中で「かつや」の強みであるボリューム感ある商品をスピーディーに提供するため、改めて食材やメニューアイテムを絞って作業効率を引上げ、商品のブラッシュアップを進めていく方針である。

新規客層の獲得

新規顧客獲得のため、キャンペーンやフェア商品の販売などを織り交ぜながら、昨年より新たに実施し、効果のあったWebやテレビCM等の販売促進手段を引き続き活用し、認知度の引上げ、向上を図っていく方針である。

新規出店

競合店も増え、出店場所の確保が以前に比べ難しくなっている環境を受け、昨年より開始した売上予測が算出される立地診断システムを、出店立地選定に本格的に稼働させ、活用していく。それにより、さらに売上予測の高い物件のみ現地調査を行うことで物件開発担当の時間やコストを圧縮しながら、最適な立地への出店を図っていく方針である。

事業等のリスク・業績変動要因

アークランドサカモト株式会社との関係について

アークランドサービスホールディングスは外食事業の経営を目的として、アークランドサカモト株式会社の100%出資子会社として設立され、同社の連結子会社となっている。

アークランドサカモトとの取引は、主にアークランドサービスホールディングスの一部店舗及びアークランドサービスホールディングスが運営するホームセンター内のフードコート等の賃貸借がある。店舗及びフードコート等の賃貸借取引の取引条件につきましては、各出店地の賃料相場を基に、それぞれの総投資額及び投資回収期間などを考慮して、両者協議の上、賃借料を決定している。

アークランドサカモトは、今後もアークランドサービスホールディングスを連結子会社として維持する方針だが、アークランドサカモトグループにおける事業戦略などが変更された場合には、グループの業績もしくは事業展開に影響を与える可能性がある。

「かつや」への依存について

アークランドサービスホールディングスグループの主力カテゴリーは、かつや(国内)であり、2019年12月期における売上高の69.8%を占めており、また、2019年12月末の店舗数においても、国内の「かつや」店舗数406店(直営129、FC277)であり、その他の業態は202店舗となっている。

今後もかつや(国内)はアークランドサービスホールディングスグループの主力カテゴリーとして、積極的な新規出店を続けていくが、一方で、「かつや」に次ぐ新規業態の開発を積極的に行い、多店舗化に向けた経営体制の確立を強化することを目指している。しかしながら、食材調達が安定的に確保できなかった場合や国内景気の悪化などにより、当事業の展開に何らかの支障が生じた場合、また、とんかつに対する消費者の嗜好に変化が生じた場合には、グループの業績に影響を与える可能性がある。

FC(フランチャイズ)展開について

アークランドサービスホールディングスグループは、FC(フランチャイズ)加盟店による「かつや」、「からやま」並びに「からあげ縁」店舗の出店を積極的に進めることを今後の事業拡大の基本方針としている。今後のFC店舗の増加を見据え、FC管理業務を行うFC本部体制の強化に努めているが、今後、FC本部体制の構築が事業拡大に伴って進展しない場合、又は、加盟店の発掘、店舗物件の確保が想定どおり進捗せずFC店舗が計画どおり出店できない場合は、グループの業績に影響を与える可能性がある。

FC加盟契約締結後の出店状況について

アークランドサービスホールディングスグループは、FC加盟希望者とFC加盟契約を締結し、加盟契約に定めた区域(エリア)において、アークランドサービスホールディングスグループが定める商標の使用によって加盟店が店舗を自ら開店し、経営する権限を付与している。

また、加盟契約では、契約締結後6ヶ月以内に出店することになっており、出店場所の確保は加盟店側の責任としているため、加盟店が出店場所を確保できなかった場合でもアークランドサービスホールディングスグループがその責任を負わないこと及び加盟店から収受するFC加盟金は、理由の如何を問わず一切返還しないものと定められている。

なお、未出店となっている加盟契約に関しては、各加盟店の出店意欲及び加盟金は返還しないことを改めて確認しているが、今後において契約解除の理由などを考慮してアークランドサービスホールディングスグループが加盟店に対して加盟契約解除に伴う費用を支払う可能性もあり、その場合はグループの業績に影響を与える可能性がある。

競合について

アークランドサービスホールディングスグループの事業領域である外食業界では、大手チェーン店の急速な店舗展開やコンビニエンスストアによる弁当、惣菜類の販売といった他産業からの参入などにより、競争が激化している。そのような中でアークランドサービスホールディングスグループは、既存商品のブラッシュアップやフェアメニューの強化など、競合他社との差別化に向けた施策を講じながら収益力の向上に努めている。しかしながら、今後、他の外食業者や中食業者を含めた競合他社との競争が更に激化した場合、グループの業績に影響を与える可能性がある。

食材の調達について

アークランドサービスホールディングスグループは、豚肉、鶏肉、米、野菜等の食品を扱っているため、口蹄疫や豚コレラ、鳥インフルエンザ、BSE等の疫病の問題、又は天候不順などによる農作物の不作や残留農薬などの問題等により食材の調達に影響を受ける可能性がある。調達ルートを複数確保するよう努めているが、食材の安定的な確保に支障が生じた場合、グループの業績に影響を与える可能性がある。

店舗物件の確保について

アークランドサービスホールディングスグループは、不動産業者等から物件情報を入手し、出店先の立地条件、賃借条件など当社グループの出店基準に合致した物件への出店を決定しているが、アークランドサービスホールディングスグループの出店基準に合致した店舗物件の確保が想定どおり進捗せず、新規店舗が計画どおり出店できない場合には、グループの業績に影響を与える可能性がある。

人材の確保・育成について

アークランドサービスホールディングスグループは、新規出店等の業容の拡大に伴い、社員及びパート・アルバイトの採用数の増加及びパート店長制度の充実を図っているが、雇用情勢の改善、若年層の減少などにより、人材の確保及び育成が計画どおりに進捗しなかった場合は、グループの業績に影響を与える可能性がある。

法的規制について

食品衛生法:
アークランドサービスホールディングスグループが運営する各店舗は「食品衛生法」により規制を受けている。「食品衛生法」は、食品の安全性確保のため公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とした法律。飲食店を営業するにあたっては、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより都道府県知事の許可を受ける必要がある。アークランドサービスホールディングスグループにおいては、自社での定期的な衛生点検に加え、専門業者による衛生検査や細菌検査等の店舗衛生点検を直営・FC全店に対し客観的な観点から実施しており、安全な商品を消費者に提供するための衛生管理を徹底しているが、万一、食中毒等の事故が起きた場合は、この法的規制により食品等の廃棄処分、一定期間の営業停止、営業の禁止、営業許可の取消しを命じられるというリスクがあり、グループの業績に影響を与える可能性がある。

中小小売商業振興法:
アークランドサービスホールディングスグループがFC展開を行う上で、「中小小売商業振興法」による規制を受けている。これによりアークランドサービスホールディングスグループのFC事業の内容やFC加盟契約書の内容を記載した法定開示書面の事前交付が義務付けられている。アークランドサービスホールディングスグループは、加盟店としての出店希望者と充分な面談の上、FC加盟契約を締結しており、本書発表日(2020年3月30日)時点で、FC加盟契約に関する訴訟や紛争はないが、加盟店からFC加盟契約に関する訴訟が提起された場合、グループの業績に影響を与える可能性がある。

短時間労働者に対する社会保険の適用拡大について:
アークランドサービスホールディングスグループは、飲食店を多店舗展開しているため、多くの短時間労働者を雇用しているが、今後、短時間労働者への社会保険の適用基準の拡大が行われた場合には、社会保険料の増加、短時間労働者の減少等により、グループの業績に影響を与える可能性がある。

敷金及び保証金の回収について

アークランドサービスホールディングスグループは、賃借による出店形態を基本としている。店舗の賃借に際しては家主へ敷金及び保証金を差し入れている。

契約に際しては、物件所有者の与信管理を慎重に行っているが、今後契約期間満了による退店等が発生した際に、物件所有者の財政状態によっては回収不能となる場合があり、グループの業績に影響を与える可能性がある。

減損会計について

アークランドサービスホールディングスグループの店舗の営業成績に悪化が見られ、その状況の回復が見込まれない場合、固定資産及びリース資産について減損会計を適用する場合があり、グループの業績に影響を与える可能性がある。

自然災害、パンデミックの発生について

アークランドサービスホールディングスグループは、全国各地に店舗を出店しているが、大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、営業活動に支障が生じた場合、あるいは顧客、従業員に人的被害があった場合、また、強毒性のウイルス感染によるパンデミックが発生した場合には、グループの業績に影響を与える可能性がある。

海外展開におけるカントリーリスクについて

アークランドサービスホールディングスグループは、海外での事業展開を目的に積極的に海外進出を行っているが、進出国における政情、経済、法規制などの同国特有のカントリーリスクにより、グループの業績に影響を与える可能性がある。

為替リスクについて

アークランドサービスホールディングスグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算される。したがって、為替相場の変動により、グループの業績に影響を与える可能性がある。


2019年12月期 有価証券報告書(提出日:2020年3月30日)

特集記事