事業内容
サントリー食品インターナショナルは、サントリーホールディングスを中心とするサントリーグループの飲料・食品セグメントの中核を担う企業です。同社は、飲料・食品の製造・販売を行い、64社の子会社と8社の持分法適用会社で構成されています。
同社は、グループの事業持株会社として、企業統治や事業戦略の策定、品質保証、商品開発などを行い、グループ全体の中枢として機能しています。また、国内外の事業展開を支援するためのM&A戦略の策定や相手先の選定も行っています。
サントリー食品インターナショナルは、飲料・食品事業を単一の事業として展開しており、報告セグメントはエリア区分に基づいています。日本国内では、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品などを製造・販売しています。
日本国内の清涼飲料の製造は、サントリープロダクツが担当し、全国に工場を配置して安定した供給体制を整えています。販売は、サントリーフーズとサントリービバレッジソリューションが主に担当し、スーパーやコンビニ、自動販売機を通じて行われています。
アジアパシフィック地域では、タイやベトナム、オーストラリア、ニュージーランドなどで健康食品や清涼飲料の製造・販売を行っています。代表的な製品には、「BRAND'S Essence of Chicken」や「Sting」、「TEA+」などがあります。
欧州では、Orangina Schweppes HoldingとLucozade Ribena Suntoryが炭酸飲料や果汁飲料の製造・販売を行っています。代表的な製品には、「Orangina」、「Schweppes」、「Ribena」、「Lucozade」などがあります。
米州では、Pepsi Bottling Venturesが北米で清涼飲料の製造・販売を行っています。サントリーホールディングスは、飲料・食品の他にスピリッツやビール、ワインの製造・販売、健康食品や高級アイスクリームの製造・販売、外食事業も展開しています。
特集記事
経営方針
サントリー食品インターナショナルは、真のグローバル飲料企業として質の高い成長を目指しています。同社は、2030年までに売上を2.5兆円にすることを目標に掲げ、既存事業の成長と新規成長投資を推進しています。特に、売上成長を上回る利益成長を実現することを重視しています。
同社の中期経営計画(2024-2026)では、オーガニック成長を基盤に、売上収益の平均年率1桁台半ばの成長と、営業利益の平均年率1桁台後半の成長を目指しています。2026年までに営業利益率を10%超に引き上げ、フリーキャッシュフローを1,400億円以上創出する計画です。
成長戦略の重点項目として、ブランド戦略、構造改革、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)、サステナビリティを掲げています。ブランド戦略では、コアブランドのイノベーション強化やグローバル展開を進めています。構造改革では、日本と海外での収益力強化を図り、事業ポートフォリオの拡充を目指しています。
サステナビリティの取り組みとして、環境目標2030の達成に向けた活動を強化しています。特に「水」と「温室効果ガス」に関する活動や、プラスチック基本方針に基づく取り組みを推進しています。また、DEIの観点から、多様な従業員が活躍できる組織づくりを進めています。
地域別の戦略では、日本事業でのコアブランドイノベーションや自販機事業の構造改革を進め、アジアパシフィックではフルバリューチェーンの総合力を活かして成長を図っています。欧州では、コアブランドのイノベーションと販促活動を強化し、米州では炭酸カテゴリーの強化と非炭酸カテゴリーの拡大に注力しています。