事業内容
INPEXは、主に石油と天然ガスの探査、開発、生産、販売を行う企業です。同社は、73の子会社と29の関連会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。主要な事業セグメントは、日本、豪州・東南アジア、欧州・アブダビ及びその他の地域に分かれています。
INPEXは、確認埋蔵量の評価を自社で行い、米国証券取引委員会(SEC)の規則に従って評価しています。2024年12月31日時点で、同社の確認埋蔵量は、原油、コンデンセート、LPGが2,580百万バレル、天然ガスが3,969十億立方フィート、合計で3,343百万BOE(原油換算量)となっています。
同社は、確認埋蔵量に基づく将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値を算定し、地域別に開示しています。2024年12月31日時点の為替レートは1米ドル158.17円を使用し、年間割引率は10%を適用しています。これにより、将来のキャッシュ・フローの客観性と正確性を維持しています。
経営方針
INPEXは、エネルギーの安定供給と持続可能な成長を目指し、長期的な成長戦略を掲げています。2025年2月に発表された「INPEX Vision 2035」では、2035年に向けた長期戦略と2025年から2027年までの中期経営計画を策定し、具体的な取り組みと目標を示しています。
同社は、天然ガスの供給力強化を軸に、低炭素分野や電力関連の新たな取り組みを強化し、収益基盤を拡大することを目指しています。また、2050年のネットゼロ達成に向けて、再生可能エネルギーの導入やCCS(炭素回収・貯留)技術の活用を進めています。
INPEXは、2035年までに事業規模を60%拡大し、GHG排出原単位を60%削減することを目指しています。これにより、エネルギー供給の安定性を確保しつつ、環境負荷の低減を図ります。特に、アブダビやイクシスでの事業拡大が成長の鍵となっています。
2025年から2027年の資金配分では、成長投資と株主還元を強化し、株主価値の拡大を図ります。累進配当を基に、総還元性向50%以上を目指し、事業環境に応じた機動的な自己株式取得も行います。これにより、持続的な成長と株主還元の両立を図ります。