事業内容
田中精密工業は、自動車部品の製造販売を中心とする部品製造事業、ソリューション事業、モビリティ事業の三つの主要セグメントを持つ企業です。同社の部品製造事業では、4輪車および2輪車向けのエンジン部品やトランスミッション部品、シャーシ部品などを製造しています。具体的には、VTECロッカーアームASSY、バルブリフター、ピストンピン、モーターカバー、インバーターフレームなどが挙げられます。
また、ソリューション事業では、工場自動化に関連するAGV(自動搬送車)、組立装置、検査装置、洗浄装置の販売を行っています。さらに、モーター製造における接着積層コア製造装置や製造分析に関するIoTシステム/ソフトウェア、AIソフトウェアの提供も手がけています。
モビリティ事業では、ホンダ製品(4輪、2輪、パワープロダクツ)の販売、レンタルサービス、その他モビリティ製品の提供を行っており、㈱ホンダ自販タナカを通じてサービスを展開しています。
田中精密工業は、本田技研工業株式会社と緊密な事業上の関係を持ち、主要な取引先としています。同社は、自動車部品製造を核としながらも、ソリューション提供やモビリティサービスの分野で幅広い事業を展開しており、多角的な事業構造を有しています。
経営方針
田中精密工業は、自動車部品製造を核とした事業展開を行いつつ、その技術力と創造力を活かして新たな価値を提供することを目指しています。同社は2030年ビジョン「Change the Future~技術と創造力で新時代に新価値を提供します~」を掲げ、自動車部品製造事業の深化とともに、新規事業の創出とモビリティ事業の強化を推進しています。
このビジョンの実現に向けて、田中精密工業は中期経営計画(2023年3月期~2027年3月期)を策定し、自動車業界の電動化やCASE、MaaSといったトレンドへの対応を図っています。具体的には、部品製造事業部では電動車向け製品の展開強化、ソリューション事業部では自動化設備技術や接着剤要素技術を活用した事業の拡大、モビリティ事業部では車両販売やアフターサービスを超えたモビリティ全般の事業推進を目指しています。
また、組織体制の変更により、各事業部がその役割に集中し、成果の透明性を向上させることで、2030年ビジョンの実現を目指します。この中期経営計画を通じて、社会課題の解決に貢献し、中長期的な企業価値の向上を図ることを目標としています。
田中精密工業は、自動車部品製造の深化と新規事業の創出、モビリティ事業の強化を軸に、技術と創造力で新しい価値を提供し、持続可能で豊かな社会の実現に貢献していく戦略を推進しています。