事業内容
ルネサスエレクトロニクスは、半導体専業メーカーとして、研究、開発、設計、製造、販売およびサービスを行っています。同社は、国内外に122の連結子会社と1つの持分法適用会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。
ルネサスエレクトロニクスの事業は、「自動車向け事業」と「産業・インフラ・IoT向け事業」の2つのセグメントに分かれています。自動車向け事業では、車載制御や車載情報機器に必要な半導体を提供し、マイクロコントローラやSoC、アナログ半導体、パワー半導体を中心に展開しています。
産業・インフラ・IoT向け事業では、スマート社会を支える産業、インフラストラクチャー、IoT向けに半導体を提供しています。こちらもマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体、パワー半導体を中心に事業を展開しています。
また、ルネサスエレクトロニクスは、設計および生産子会社を通じて半導体の受託開発や受託生産も行っており、これらは「その他」に分類されています。国内外の子会社がそれぞれの地域で販売、製造、設計・開発を担当しています。
経営方針
ルネサスエレクトロニクスは、「To Make Our Lives Easier」をパーパスに掲げ、2030年までの経営目標「2030 Aspiration」を設定しています。この目標達成に向け、同社は「Back to Basics」の方針を推進し、事業戦略の基本に立ち返ることで長期的な成長を目指しています。
同社は生産性向上を重視し、グローバル企業としてのスケールメリットを活かし、効率化を図っています。30ヶ国以上に約22,000名の従業員を擁し、無駄を省くことで事業運営の効率を高めています。
また、ルネサスエレクトロニクスは、組み込み半導体ソリューションやUX、デジタライゼーションに戦略的に投資しています。中長期的な成長を見据え、事業の優先順位を明確にし、資源を最大限に活用する方針です。
UXとデジタライゼーション戦略の加速も重要視されています。デジタルマーケティング機能を統合し、Altium社と連携して電子機器設計プラットフォームの構築を進めています。これにより、顧客がより効率的に開発を進められる環境を提供します。
サステナビリティとESG活動も強化されています。監査委員会を再編し、カーボンニュートラル達成目標を2040年に前倒しするなど、ESGの推進を図っています。非財務情報の開示を充実させ、ステークホルダーへの情報提供を強化しています。
地政学リスクへの対応として、米中の技術投資動向を注視し、デジタライゼーションを進めることで競争力を強化しています。生産構造の最適化も進め、設備投資を通じて安定供給を目指しています。
タレント構成の最適化では、グローバルな採用と人材育成を進め、M&Aも活用しながら、バランスの取れた人材構成を実現しています。特に成長分野に従事する人材の拡充を目指しています。
最後に、従業員エンゲージメントの向上と「ルネサスカルチャー」の浸透を図っています。技術者間の連携を強化し、AI活用などのプロジェクトを推進。これにより、従業員のエンゲージメントを高め、企業文化を根付かせることを目指しています。