Heartseed【219A】 グロース(内国株式)

iPS細胞由来の心筋細胞を用いた「心筋再生医療」を開発し、重症心不全患者向けの治療法「HS-001」や「HS-005」を提供。

Heartseed【219A】 グロース(内国株式)

iPS細胞由来の心筋細胞を用いた「心筋再生医療」を開発し、重症心不全患者向けの治療法「HS-001」や「HS-005」を提供。

事業内容

Heartseedは、iPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する「心筋再生医療」を開発する企業です。同社の事業セグメントは医薬品事業の単一セグメントであり、重症心不全患者に対する治療法の確立を目指しています。

Heartseedの主な治療法は、iPS細胞から作製した心筋細胞を重症心不全患者の心臓に移植するもので、リードパイプラインであるHS-001の治験が進行中です。この治療法は、日本政府が再生医療等製品の開発・承認期間を短縮するために制定した法律を活用しており、条件及び期限付承認を目指しています。

同社は、他家iPS細胞由来心筋球の治験が承認された後、グローバル市場への展開を目指して、ノボノルディスクと提携しています。ノボノルディスクは、HS-001やHS-005を含む他家iPS細胞由来心筋球の日本以外の全世界における臨床開発・製造・販売権を持ち、Heartseedは日本国内での製造販売権を保持しています。

心不全は、心臓の収縮能力や拡張能力が低下し、心拍出量が減少する疾患で、虚血性心疾患や高血圧、心臓弁膜症などが原因となります。心不全は生存率が低く、患者数も増加しており、新しい治療法の開発が求められています。

Heartseedの治療法は、心筋細胞を心臓に移植することで、心筋の再生を促し、心機能を改善することを目指しています。既存の治療法は対症療法に留まり、根治的な治療法は心臓移植しかありませんが、心臓移植はドナー不足が深刻であり、補助人工心臓治療も高額であるため、適用できる患者は限られています。

Heartseedの心筋再生医療は、心臓移植や補助人工心臓よりも多くの患者に適用できる可能性があり、病態の早期段階での治療選択肢としても期待されています。同社は、研究、開発、製造、輸送、販売のバリューチェーンを構築し、大学病院や公的研究機関、企業との共同研究を通じて、心筋再生に関する最先端の研究を進めています。

Heartseedは、他家iPS細胞由来心筋球の日本国内の開発を単独で進めており、治験製品の製造はニコン・セル・イノベーション、輸送はSPLineが担当しています。特許の実施権は、他家iPS細胞を用いるヒトへの治療用途に限りノボノルディスクに付与されており、それ以外の領域はHeartseedが保持しています。

経営方針

Heartseedは、心臓病治療の革新を目指し、再生医療を用いた重症心不全の治療法開発に注力しています。同社の成長戦略は、主に以下の3つの柱に基づいています。

まず、Heartseedは「心筋再生医療」を通じて、心臓病治療の新たな扉を開くことをミッションとしています。特に、iPS細胞由来の心筋細胞を用いた治療法「Remuscularization(心筋補填療法)」を開発中です。この治療法は、患者の心臓に移植された心筋細胞が長期間機能することを期待しており、既存の細胞治療とは一線を画すものです。現在、リードパイプラインであるHS-001の治験が進行中で、日本での条件及び期限付き承認を目指しています。

次に、Heartseedはグローバル展開を視野に入れ、ノボノルディスクとの提携を進めています。特に、低侵襲なカテーテル投与によるHS-005の開発を共同で進めており、これにより日本国内のみならず、世界中の重症心不全患者に治療を提供することを目指しています。この提携により、Heartseedは日本国内での製造販売権を保持しつつ、ノボノルディスクが日本以外の全世界における臨床開発・製造・販売権を持つ形で、グローバル市場への進出を図っています。

さらに、Heartseedは中長期的な事業基盤の構築にも力を入れています。大量生産を目的とした製造技術の開発や、プラットフォーム技術・知財に関する他社との提携を進めることで、将来の収益の極大化を目指しています。また、財務基盤の強化も重要な課題としており、HS-001の早期収益化を目指す中で、現預金残高や純資産額の増加を図っています。

これらの戦略を通じて、Heartseedは心筋再生医療の分野でのリーダーシップを確立し、世界中の心不全患者に新しい治療オプションを提供することを目指しています。組織体制の整備や人材育成、コーポレート・ガバナンス体制の強化も並行して進めることで、持続的な成長を実現しようとしています。