三井海洋開発【6269】 プライム(内国株式)

海洋石油・ガス生産の中流領域でFPSO、FSO、TLPのEPCIサービスやリース、オペレーションを提供する事業。

三井海洋開発【6269】 プライム(内国株式)

海洋石油・ガス生産の中流領域でFPSO、FSO、TLPのEPCIサービスやリース、オペレーションを提供する事業。

事業内容

三井海洋開発は、海洋石油・ガス生産の中流領域で利用される浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO、FSO、TLP)のEPCIサービス(設計・調達・建造・据付)を提供しています。また、これらの設備のリースやオペレーションサービスも手がけています。主な取引先は海外の政府系や民間の石油・ガス開発会社です。

三井海洋開発の事業は、石油開発の探鉱から生産、精製、販売までの過程のうち、比較的安定した開発・生産フェーズに焦点を当てています。オイルメジャーが設備の建造とオペレーションを専業会社にアウトソーシングする流れに対応し、同社はトータルソリューションを提供しています。

同社の主なサービスには、FPSOなどの浮体式海洋石油・ガス生産設備の設計・調達・建造・据付を一括で提供するEPCIサービスがあります。また、FPSO/FSOのリース、オペレーション、チャーターサービスも提供しています。これにより、クライアントに対して設備の所有から運用までをサポートします。

浮体式海洋石油・ガス生産設備は、固定式と浮体式に大別されます。浮体式は、インフラを必要とせず、工期が短く経済的です。三井海洋開発は、FPSO、FSO、TLPといった浮体式設備に関連する分野を主に手がけています。これらの設備は、洋上での石油・ガス生産に対応し、特に大水深の海域での生産に適しています。

三井海洋開発は、EPCIとオペレーション、チャーターからなるトータルソリューションをグローバルに提供しています。ファブレス企業として、プロジェクトマネジメントに特化し、世界中から適した業者を選定して外注しています。リース、チャーター、オペレーション事業では、プロジェクトごとに関係会社を設立し、パートナーと合弁で事業を展開しています。

経営方針

三井海洋開発は、世界的な脱炭素の流れを背景に、石油・ガスの需要が依然として高いことを見据え、成長戦略を推進しています。特に、超大水深および大水深油田・ガス田におけるFPSO事業の開発に注力し、競争力を活かした事業展開を進めています。また、気候変動への対応として、エネルギー・トランジションに対する現実的な解決策を提案し、事業のさらなる拡大を図っています。

同社は2024年から2026年にかけての中期経営計画「イノベーションで持続可能な未来を拓く」を発表しました。この計画では、収益力の強化を基盤に、FPSO事業の脱炭素化、新事業の開拓・育成を進めるとともに、人的資本を含めた事業基盤の強化を目指しています。これにより、持続可能な成長を実現し、企業価値の向上を図る方針です。

中期経営計画の進捗において、三井海洋開発は2024年に純利益目標を前倒しで達成しました。これにより、計画の最終年度である2026年の数値目標を上方修正し、親会社の所有者に帰属する当期利益を300百万米ドル、ROEを20.0%、調整後EBITDAを450百万米ドルとしています。これらの目標達成に向け、引き続き事業基盤の強化を進めています。

同社は、FPSO事業の脱炭素化に向けた次世代船の開発や、Carbon Capture & Storage (CCS)技術の導入を進めています。また、洋上風力発電や代替エネルギー事業における新技術の開発を追求し、低炭素社会へのトランジションに貢献することを目指しています。新事業専任組織を発足させ、事業開発体制を強化しています。

さらに、三井海洋開発は、グループ全体でのコラボレーションとシナジーの深化を図っています。デジタル技術を活用したマネジメントツールの導入や、人的資本経営の推進に向けたワーキンググループの立ち上げを行い、専門家の知見を活用して人材戦略を策定しています。これにより、グループ全体の競争力を高めています。