西部技研【6223】 スタンダード(内国株式)

デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器の製造・販売・据付工事を行う空調事業。

西部技研【6223】 スタンダード(内国株式)

デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器の製造・販売・据付工事を行う空調事業。

事業内容

西部技研は、デシカント除湿機やVOC濃縮装置の製造、販売、据付工事を主な事業としています。同社は空調事業の単一セグメントで活動しており、製品やサービスごとに事業内容を展開しています。

西部技研の技術の特徴は、1965年に設立された西部技術研究所に由来し、1974年に確立した連続ハニカム成形技術にあります。この技術により、空気抵抗が少なく、強度に優れ、表面積が広いハニカム積層体を製造しています。このハニカム技術を用いて、デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器を提供しています。

デシカント除湿機は、シリカゲルやゼオライトを用いて空気中の湿気を吸着し、効率的に除湿します。食品・製薬工場やリチウムイオン電池の製造工程、美術館、スーパーマーケットなどで使用されています。また、車載用電池の製造においても、超低湿環境を実現するために採用されています。

VOC濃縮装置は、揮発性有機化合物(VOC)を選択的に吸着し、排出ガスを無害化します。ゼオライトを用いたVOC濃縮ローターを商品化し、塗装や印刷業界、半導体製造工程などで使用されています。特に大気汚染が深刻な地域での需要が高まっています。

西部技研は、全熱交換器も製造販売しており、換気によって失われるエネルギーを再利用し、CO2削減に寄与しています。一般事務所ビルや病院、ホテル、学校などで採用されています。

製造体制としては、福岡県に複数の工場を持ち、デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器を生産しています。海外にもスウェーデン、ポーランド、アメリカ、中国に生産拠点を展開しています。

販売体制は、福岡県の本社を中心に、東京、大阪、名古屋に営業拠点を設置し、国内外での販売を拡大しています。海外では、スウェーデン、アメリカ、中国、ポーランド、韓国などの子会社と連携し、約50か国に販売網を広げています。

サービス体制としては、国内外で据付工事、メンテナンス、ローター交換を提供し、製品の性能を最大限に発揮できる環境づくりを行っています。特に中国ではサービス部を独立させ、専任人材を採用し、サービス事業の拡大に取り組んでいます。

経営方針

西部技研は、「独創と融合」を経営理念に掲げ、個々の独自性と創造性を尊重し、新しい価値を生み出すことを目指しています。特に、環境に優しい空気のソリューションを提供することをパーパスとし、クライメイト・ニュートラルな未来の実現を目指しています。

同社は、2024年12月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定し、持続的成長の基盤を築くことを目指しています。この計画では、コア事業の市場シェア拡大、成長事業の本格始動、グループガバナンスの強化を基本方針としています。

西部技研は、エナジーデバイス領域や半導体材料領域において、最適な製造環境を提供するトータルエンジニアリングを推進しています。また、デシカント除湿機やVOC濃縮装置の安定供給と海外サービス事業の拡充を図っています。

同社は、2026年12月期までに売上高360億円、営業利益率12%、EBITDAマージン15%、ROE 13%を目標としています。これにより、企業価値と社会価値の両立を図り、持続可能な成長を目指しています。

西部技研は、顧客ニーズに応じた製品開発と新市場の開拓を進めています。特に、EV用リチウムイオン電池製造やVOC濃縮装置の需要増加に対応し、顧客の製造工程における最適空間創出を支援しています。

同社は、グローバルなグループ経営を推進し、国内外の拠点での生産技術力向上を図っています。また、グループガバナンスの強化を通じて、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。