LITALICO

株式会社 LITALICOは東京都目黒区に本社をおく企業。2005年、宮城県仙台市に株式会社イデアルキャリアとして創業。2006年よりアウトソーシング事業、2007年障害者雇用支援事業を開始。2008年には就労支援サービス「ウイングル」(現LITALICOワークス)、2010年家族支援コミュニティ「ふぁみえーる」を開設。2011年ソーシャルスキル&学習塾「Leaf」(現LITALICOジュニア)を開始。2016年東証マザーズに上場。

LITALICO

株式会社 LITALICOは東京都目黒区に本社をおく企業。2005年、宮城県仙台市に株式会社イデアルキャリアとして創業。2006年よりアウトソーシング事業、2007年障害者雇用支援事業を開始。2008年には就労支援サービス「ウイングル」(現LITALICOワークス)、2010年家族支援コミュニティ「ふぁみえーる」を開設。2011年ソーシャルスキル&学習塾「Leaf」(現LITALICOジュニア)を開始。2016年東証マザーズに上場。

事業内容

沿革

株式会社LITALICO(LITALICO INC.、リタリコ)は、東京都目黒区に本社を置く障害者雇用関連企業。2005年12月、佐藤崇弘氏によって障害者の就労促進を目的に前身であるイデアルキャリアを設立し、同時に首都圏における営業拠点として東京支店を開設した。

2006年1月、自社雇用した障害者によるBPO事業(事務アウトソーシング事業)を開始。同年7月には、障害者求人専門の有料職業紹介事業も開始し、8月には株式会社ウイングルに商号を変更した。2006年10月には障害者雇用環境整備が必要な企業に向けて、管理者を派遣するための一般労働者派遣事業も開始した。

2008年2月、就労移行支援事業(障害者への職業訓練)を運営する100%子会社である株式会社ウイングル・ヒューマンサポートを設立(2010年5月に吸収合併)。同年3月には就労移行支援事業を開始した。

2011年に入ると、学習塾Leaf中目黒校やLeafジュニア中目黒教室(いずれも現LITALICOジュニア中目黒教室)を開設し、学習教室事業や児童発達支援事業を開始。2012年6月にはBPO事業をイー・ガーディアン株式会社へ譲渡した。

2013年6月からは特定相談支援事業も開始し、2014年4月、東京都渋谷区にQremo渋谷校(現LITALICOワンダー渋谷)を開設し、Qremo(現LITALICOワンダー)事業を開始。2014年6月には株式会社LITALICOに商号変更している。

2015年4月、子育て情報サイト「Conobie」をオープン。2015年12月には、神奈川県川崎市川崎区にLeaf川崎砂子教室(現LITALICOジュニア川崎砂子教室)を開設し、放課後デイサービス事業を開始する。2016年1月には発達障害がある子どもや、発達が気になる子どもを持つご家族を対象とするポータルサイト「LITALICO発達ナビ」をオープンした。

2016年3月、東京証券取引所マザーズへ上場。同年8月、サービスブランドをすべて「LITALICO」に統一し、2017年3月には東京証券取引所市場第一部に株式上場を果たした。

2018年3月、働くことに障害のある方を対象とする就労情報ポータルサイト「LITALICO仕事ナビ」をオープン。また2019年2月には障害福祉分野に特化した就職・転職サービスを行う「LITALICOキャリア」をオープンするなど、創業から現在まで一貫して障害福祉分野に特化した事業展開を行っている。

事業内容

LITALICOグループは「障害のない社会をつくる」というビジョンのもとで社会課題を解決するための事業を、基幹事業として運営している。事業セグメント区分は「LITALICOワークス事業」「LITALICOジュニア事業」、その他関連事業に分かれる。

なお、「LITALICO ワークス事業」は就労移行支援事業、就労定着支援事業、特定相談支援事業の3つの事業から構成されている。また「LITALICOジュニア事業」は、児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業、保育所等訪問支援事業、学習教室事業の4つの事業から、「その他」はLITALICOワンダー事業など5つの事業から構成されている。

LITALICOワークス事業

就労移行支援事業:
就労移行支援事業は、LITALICOグループの運営する就労移行支援事業所において、行政(市区町村)によって障害福祉サービス受給者証を発行された65歳未満の障害者に対して、就労移行支援を行う事業だ。 LITALICOグループの運営する就労移行支援のサービス内容は、就労を目指す65歳未満の障害者(以下:顧客)を対象にしたコミュニケーション訓練、PCスキルを向上するための訓練、職場実習等の職業訓練等だ。これらの職業訓練を実施することで、顧客の適性と希望職種のマッチング、応募先企業の開拓や選定時のサポートを行っている。

就労定着支援事業:
就労定着支援事業は、行政(市区町村)によって障害福祉サービス受給者証を発行された65歳未満の就労者に対して、定着支援を行う事業だ。就労後6ヶ月以降から最大3年間利用可能で、月に1回の就職者との面談等を行う。

特定相談支援事業 特定相談支援事業は、LITALICOグループの運営する相談支援センターにおいて基本相談支援と計画相談支援を行うサービスだ。障害福祉サービスを利用する前に、障害のある人に適した「サービス等利用計画」を作成し、利用計画を作成した後も定期的に障害福祉サービスの利用状況などをモニタリングして、変更が必要な場合には利用計画の改善を行う事業だ。

LITALICOジュニア事業

児童発達支援事業:
児童発達支援事業は、行政(市区町村)によってサービス受給者証を発行された発達障害がある未就学児を中心に、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練等を提供する事業だ。

放課後等デイサービス事業:
放課後等デイサービス事業は、行政(市区町村)によってサービス受給者証を発行された発達障害がある学齢期の児童を中心に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を提供する事業だ。

保育所等訪問支援事業:
保育所等訪問支援事業は、行政(市区町村)によってサービス受給者証を発行された発達障害児に対し、その児童が通う保育所、幼稚園、小学校等の施設へ指導員が訪問し、集団生活への適応訓練等を提供する事業だ。

学習教室事業:
学習教室事業は、放課後等デイサービス事業の対象外(サービス受給者証未発行者)となる発達障害がある児童等を中心に、生活に必要な力となる身辺自立やコミュニケーションスキルの体得、基礎的な力となる読み書き等の教育サービスを提供している。

その他

LITALICOワンダー事業:
LITALICOワンダー事業は、未就学児から高校生まで幅広い年代の子どもたちを対象に、プログラミングやロボット、デザインなど、最先端のデジタルものづくりを通じた教育を提供する事業だ。

LITALICOライフプランニング事業:
LITALICOライフプランニング事業は、障害児を持つご家族を対象に、ライフプランの作成を支援するサービスだ。障害分野の専門性を活かして、障害児の特性を考慮した進路、就労等の相談に乗りながらライフプランの作成を支援していく。また、ファイナンスの専門性を活かして、プラン実現のための財務シミュレーションや家計の見直しをサポート、必要がある 場合は保険の見直し販売を行う。

LITALICO発達ナビ事業: LITALICO発達ナビ事業は、発達障害児や発達が気になる子どもを持つ家族を対象とするポータルサイト『LITALICO発達ナビ』を通して、ユーザー同士が質問し合えるSNS機能や、地域の施設情報の口コミ情報などを提供している。また、児童発達支援、放課後等デイサービスに向けて、 『LITALICO発達ナビ』上に施設情報を掲出し、サイトユーザーからの問い合わせが獲得できるサービスなどを提供している。

LITALICO仕事ナビ事業:
障害のある人を対象とする就職情報ポータルサイト『LITALICO仕事ナビ』を通して、サイトユーザーに向けて地域の就労支援施設が検索できる機能や、就職に関する情報を提供している。 また、就労継続支援A/B型、就労移行支援に向けて、 『LITALICO仕事ナビ』上に施設情報を掲出し、サイトユーザーからの問い合わせが獲得できるサービスを提供している。

LITALICOキャリア事業:
LITALICOキャリア事業は、障害福祉分野に特化した就職・転職支援サービス『LITALICOキャリア』を通じて、求人情報の掲載だけでなく、障害福祉分野の様々な職種等の情報を提供している。

経営方針

株式会社LITALICOグループは、「世界を変え、社員を幸せに」という理念のもと、多様な人々が自分らしい人生を選択できる「人を中心とした社会」の実現を通じて「障害のない社会」を想像することを目指す。

中長期的に継続した企業成長により企業価値の最大化に取り組むために、「LITALICO発達ナビ」、「LITALICO仕事ナビ」、「LITALICOキャリア」といったインターネットプラットフォームを軸に、障害分野のトータルソリューションサービスを展開する。

「LITALICOワークス事業」や「LITALICOジュニア事業」といった、これまでの店舗サービスを中心とした当事者向けのサービス拡大の継続に加え、障害のある方のご家族に向けたサービス(「LITALICOライフプランニング事業」)、障害のある方が利用される障害福祉施設に向けたサービスサービス(「LITALICO発達ナビ事業」、「LITALICO仕事ナビ事業」および「LITALICOキャリア事業」)、障害分野で培った専門性を活かした一般教育領域でのサービス(LITALICOワンダー事業など)を提供していく。

経営環境

内閣府「障害者白書」(2019年)によると、日本における障害者数は、身体障害者436万人(人口千人当たり34人)、知的障害者108.2万人(同9人)、精神障害者419.3万人(同33人)であり、およそ国民の7.6%が何らかの障害を有していることになる。また、文部科学省「通級による指導実施状況調査結果について」(2019年)によると、通級による指導を受けている児童生徒数の推移は、1993年度12,259人から2019年度134,185人に増加している。

このように、障害者数が近年伸びている状況を受け、一人ひとりの可能性が最大化され、生きづらさを解消するための問題解決を、事業を通じて実現させることを目指している。

対処すべき課題

グループ全体においての課題は7つあげられる。

インターネットプラットフォームの実現

障害児の子育てや障害者の就労等に関する質の高い情報提供を求める声があり、そのために、これまでに提供してきたサービスを通じて質の高い情報を届けられるよう、情報提供の網羅性の向上や提供機能の拡大に取り組む。また、障害福祉施設向けに事業運営を支援するサービス(「LITALICO発達ナビ事業」、「LITALICO仕事ナビ事業」)も展開しており、業界全体の質の向上に貢献するとしている。

既存の店舗サービスの安定的な出店拡大

LITALICOは2020年3月末時点で213拠点を運営しているが、各地で待機者が発生している。このようなお客様の要望に応えるためにも、事業計画に沿って全国に新規拠点を開設していく。

サービス提供範囲の拡大と収益源の多角化

「LITALICOワークス事業」の売上構成比がグループ全体の48.2%を占めることは経営の健全性の観点からも課題となっている。「LITALICOワンダー事業」などを通じて、一般教育領域にもサービスを提供することでグループのサービス提供範囲の拡大に努める。ほかにも、障害者福祉施設向けに事業運営を支援するサービスや、障害福祉分野に特化した就職・転職支援サービスの提供をすることで収益源を多角化し、さらなる経営の健全化を図る。

その他の課題

その他にも「人材採用と育成」、「知名度の向上、広告宣伝の強化」、「事業基盤の強化」があげられる。採用においては、年齢が若く、潜在能力の高い人材であれば採用し、社内で教育する方針。育成については、入社後1週間の本社研修を実施後、各拠点でのOJTを実施する。また、支援スキルの高いスタッフを各拠点・エリアに配置することで、更なる支援・指導力の強化を図る。また、社外からスタッフ育成を担える講師陣を招集し、専門性のさらなる向上にも努めるとしている。

事業基盤の強化には、どの拠点でも同一水準のサービス提供をするために、事業ごとの教材、カリキュラムなどを制作することで質の高いサービス提供を図る。また地域の学校や企業、教育機関と連携することで、共同して課題解決に当たる方針である。また、児童発達支援事業から成人を対象にしたLITALICOワークス事業まで、ライフステージに沿ったワンストップサービス郡が強みであることから、さらなるシナジー効果を発揮するための事業間連携も進めていく方針だ。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月30日)

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