事業内容
新日本電工は、合金鉄、機能材料、焼却灰資源化、アクアソリューション、電力の各事業を展開しています。これらの事業は、同社とその子会社5社、関連会社2社で構成されています。また、鉄鋼製品の製造・販売を行う日本製鉄も関係会社として含まれています。
合金鉄事業では、フェロマンガン、シリコマンガン、フェロシリコンの製造・販売を行っています。また、フェロクロムやフェロバナジウムなどの特殊金属製品の販売も手がけています。主要な関連会社には、電工興産や日電徳島などがあります。
機能材料事業では、酸化ジルコニウムや酸化ほう素、フェロボロンなどの製造・販売を行っています。さらに、水素吸蔵合金やリチウムイオン電池の正極材料も取り扱っています。この事業は新日本電工が主に担当しています。
焼却灰資源化事業では、電気炉を用いた焼却灰の溶融固化処理を行っています。この事業には中電興産が関与しており、環境に配慮した資源化を推進しています。
アクアソリューション事業では、排水処理装置や純水製造装置の製造・販売を行っています。イオン交換塔やRO膜装置を用いた技術で、ほう素やニッケルなどの重金属を回収しています。
電力事業では、電力の供給を行っています。この事業も新日本電工が担当しており、安定した電力供給を目指しています。
その他の事業として、鉄鋼用分析測定機器の製造・販売やプラスチックの加工・販売を行っています。リケン工業や栗山興産がこの分野で活動しています。
経営方針
新日本電工は、2030年に向けた中長期経営計画を策定し、「素材と環境で人々の暮らしを支え、より良い未来に向かって挑戦し続ける会社」を目指しています。この計画では、社会課題の解決と持続的な成長を両立させることを基本方針としています。
同社は、成長戦略として事業環境の変化を成長分野と捉え、事業規模と領域の拡大を図ります。特に、合金鉄市況の影響を受けにくいポートフォリオを構築し、収益力の向上と安定化を目指しています。また、新製品の研究開発や外部との連携を通じて、社会課題の解決に貢献する新たな製品・事業の創出を進めています。
財務戦略では、成長分野への積極的な戦略投資を行い、固定資産の増強と高水準の株主還元を両立させることを目指しています。さらに、DXを活用して棚卸資産の効率化を進め、在庫影響の軽減を図ります。
サステナビリティ関連施策として、2030年までにCO2排出量を45%以上削減するため、50億円規模のGX投資を計画しています。また、DXを活用して生産性や業務効率の向上を図り、人的資本経営の基盤強化を進めています。
新日本電工は、各事業においても具体的な施策を展開しています。合金鉄事業では生産性向上と棚卸資産の圧縮を追求し、機能材料事業ではオンリーワン商品の拡販と次世代電池材料の研究開発を進めています。焼却灰資源化事業では、焼却灰溶融炉の増設を目指し、アクアソリューション事業では新しい事業領域の開拓に注力しています。
電力事業では、FITによる安定収益の確保と水力発電の環境価値を活かした非化石証明の発行を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。これらの施策を通じて、新日本電工は持続可能な成長を目指し、企業価値の向上に努めています。