Kingsoft Cloud（金山雲）の沿革・企業概要

Kingsoft Cloud（金山雲）は中国の独立系クラウドサービス・プロバイダー。2012年、中国のソフトウェア企業「Kingsoft（金山軟件）」からスピンアウトされて誕生した。2013年にはシリーズAで2,000万ドル、2015年にシリーズBで6,666万ドル、2016年にはシリーズCで1億ドルをXiaomi創業者の雷軍（Lei Jun）氏などから調達し、中国クラウドコンピューティング業界初のユニコーン企業となった。

医療クラウドや北京の電子政府クラウド調達プロジェクトを受注するなど事業を拡大し、2018年にはブロックチェーン・クラウドにも参入。Kingsoft CloudはAlibaba Cloud、Tencent Cloudに次いで中国パブリッククラウド市場シェア3位にランクインする。2019年に入ると中国初の統合デジタル金融サービスプラットフォームを構築、プライベートクラウドを本格展開するなどサービス強化を推し進め、2020年5月にNASDAQへ株式上場を果たした。

事業内容・サービス内容

Kingsoft Cloud（キングソフトクラウド）は、パブリッククラウド、エンタープライズクラウド、AIoTクラウドサービスの各分野において、大規模なクラウドインフラ、最先端のクラウド製品、業界特有のソリューションからなる包括的で信頼性の高いクラウドプラットフォームサービスを提供している。Kingsoft Cloudの事業は、一般企業や公共サービス機関へのクラウドサービスの浸透、5G、AI、IoTの応用、マルチクラウドと中立性の要求、政府の有利な政策による支援などにより、大きく成長する市場機会を獲得するために十分な位置を占めている。

Kingsoft Cloudは、創業以来、クラウドサービスに特化した独立系企業として、Kingsoft Cloudはビジネスモデルの革新にリソースをフルに活用し、あらゆる種類の企業や組織に高品質なサービスを提供してきた。クラウドビジネスに全力で取り組むことで、顧客との利益相反の可能性を回避し、中立的な立場を強化することができ、より多くの顧客から信頼を得てきた。

Kingsoft Cloudのサービスは、ゲーム、ビデオ、金融サービスなどの特定の分野において大きな成長が見込まれている。Kingsoft Cloudは、戦略的に急成長している業種に先手を打って進出し、絶え間ない実行によって市場をリードする地位を確立してきた。

Kingsoft Cloudは、中国で広く信頼されているソフトウェアフランチャイズのリーディングカンパニーであるKingsoft Groupの「エンタープライズサービスDNA」を継承し、優れたエンタープライズサービス機能を確立している。Kingsoft Groupの30年以上のエンタープライズサービス提供経験を活かし、顧客一人ひとりを大切に、ライフサイクル全体に渡ってクラス最高の顧客サービスを提供していく。

上述の顧客中心のサービス哲学によって、Kingsoft Cloudはブランド認知度の向上とロイヤルカスタマーベースを実現し、収益性を向上させていく。また、Kingsoft Cloudは、特定の業種の大手企業に焦点を当て、顧客のニーズに合ったサービスを提供することで、顧客のニーズに合ったサービスを提供していく。

事業環境

クラウドサービスは、従来のオンプレミス型のITモデルと比較して、主にコスト削減、柔軟性、拡張性と信頼性、技術革新など、さまざまなメリットを企業に提供するものだ。これらのメリットを受けて、世界のIT支出は従来のオンプレミス型ITモデルからクラウド型モデルへと構造的にシフトしている。2018年度において、中国のクラウド市場は売上高で米国に次いで世界第2位となった。中国のクラウドサービスの市場規模は2015年から2019年までで37.7％で成長し、2019年から2024年までに28.3％の割合で成長し続け、それぞれの期間の米国を上回ると予測されている。

中国のクラウドサービス市場は、顧客の業種や業態に基づいて、(i)インターネット企業向けのサービス、つまりインターネットクラウド市場と、(ii)従来型の企業や公共サービス機関向けのサービスに分けることが可能だ。中国のインターネットクラウド市場の市場規模は2019年に538億元で、2024年には2,175億元に達する見込みだが、伝統的な企業や公共サービス機関向けの中国のクラウド市場の市場規模はさらに大きく、2019年には1,080億元で、2024年には3,459億元に達する見込みだ。

参照 公式サイト