事業内容
東海カーボンは、複数の事業セグメントを持ち、さまざまな製品やサービスを提供しています。以下にその概要を紹介します。
1. **カーボンブラック事業**: 東海カーボンは、ゴム製品用、黒色顔料用、導電用のカーボンブラックを製造しています。国内では東海運輸と協力し、海外ではTokai Carbon CB Ltd.やCancarb Limitedなどが事業を展開しています。
2. **ファインカーボン事業**: 特殊炭素製品やソリッドSiC、SiCコートを提供しています。国内では東海ファインカーボンやオリエンタル産業が関与し、海外ではTokai Carbon U.S.A., Inc.やTOKAI CARBON EUROPE LIMITEDなどが活動しています。
3. **スメルティング&ライニング事業**: アルミ電解用カソードや高炉用ブロック、炭素電極を製造しています。海外ではTokai COBEX GmbHやTokai COBEX Polska sp. z o.o.が事業を行っています。
4. **黒鉛電極事業**: 電気製鋼炉用の黒鉛電極を提供しています。国内では東海カーボンが直接関与し、海外ではTOKAI CARBON GE LLCなどが活動しています。
5. **工業炉及び関連製品事業**: 工業用電気炉や炭化けい素発熱体を製造しています。国内では東海高熱工業が、海外ではShanghai TOKAI KONETSU Co., Ltd.が事業を展開しています。
6. **その他事業**: 摩擦材やリチウムイオン二次電池用負極材を提供しています。国内では東海マテリアルや三友ブレーキが関与し、海外ではTokai Carbon (Suzhou) Co., Ltd.が活動しています。
これらの事業を通じて、東海カーボンは国内外で幅広い製品とサービスを提供し、さまざまな産業に貢献しています。
経営方針
東海カーボンは、2024年から2026年までの中期経営計画「T-2026」を策定し、成長戦略を推進しています。この計画では、「主力事業の収益基盤強化」「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針を掲げています。特に、黒鉛電極事業やスメルティング&ライニング事業における構造改革を進め、カーボンブラック事業やファインカーボン事業では高付加価値化と生産能力の拡充を図っています。
事業ポートフォリオマネジメントの高度化においては、2021年に決議した基本方針に基づき、資本コストを考慮した収益力と資本効率性の目標を設定し、モニタリングを行っています。2024年には、成長事業であるファインカーボン事業の米国市場での販路拡大を目指し、米国の黒鉛加工拠点を完全子会社化しました。
サステナビリティ経営の推進では、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、2030年までにCO2排出量を2018年比で25%削減する計画です。カーボンニュートラル推進委員会を中心に、関連技術の探求や調査を進め、役員報酬にサステナビリティ・パフォーマンスを連動させるなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。
さらに、東海カーボンは「Vision 2030」を策定し、2030年に向けた長期的な成長戦略を描いています。「抜本的な構造改革」「成長市場へのコミット」「サステナブルな価値創出」の3つの取り組みを通じて、売上高5,000億円、EBITDA20%、ROIC12%を目指しています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。