事業内容
ヘリオスは、幹細胞技術を活用して難治性疾患の治療を目指す企業です。主に体性幹細胞再生医薬品とiPS細胞関連の再生医療製品の研究・開発・製造を行っています。事業セグメントは医薬品事業の単一セグメントで、幹細胞技術を駆使して新たな治療法を提供することを目指しています。
体性幹細胞再生医薬品分野では、神経幹細胞や間葉系幹細胞などを利用し、新たな治療法を開発しています。特に、アサシス社の体性幹細胞製品MultiStem®を用いた脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する治療法の開発に注力しています。ARDSは、肺炎や新型コロナウイルス感染症の重症患者に併発することがあり、生命予後を改善する新規治療法が求められています。
iPSC再生医薬品分野では、iPS細胞を用いて人体と近似の機能を持つ細胞を作製し、機能回復を目指す製品を開発しています。iPS細胞は、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ち、再生医療の可能性を広げています。ヘリオスは、免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞「ユニバーサルドナーセル(UDC)」の作製を進めています。
また、ヘリオスはがん免疫療法や眼科領域、肝疾患領域におけるiPSC再生医薬品の開発も行っています。がん免疫療法では、遺伝子編集技術を用いて強化したナチュラルキラー細胞を用いた治療法を研究中です。眼科領域では、加齢黄斑変性の治療を目指し、iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いた治療法を開発しています。
経営方針
ヘリオスは、幹細胞技術を駆使して難治性疾患の治療を目指す企業であり、特にiPS細胞を活用した再生医薬品の開発に注力しています。同社は、世界中の患者に治癒と希望を届けることをビジョンに掲げ、研究開発から製造販売までを自社で行う体制を構築しています。
同社の成長戦略は、短期と長期の二つの視点から構成されています。短期的には、日本国内での承認を目指す開発パイプラインを強化し、収益基盤を確立することを目指しています。具体的には、体性幹細胞再生医薬品分野でのHLCM051の承認取得を目指し、脳梗塞急性期やARDSを対象とした治験を進めています。
長期的には、iPSC再生医薬品の実用化を目指し、革新的な基盤技術の確立に注力しています。特に、遺伝子編集技術を用いた次世代iPS細胞の作製や、がん免疫療法の研究を進めています。これにより、世界でデファクトスタンダードの地位を築くことを目指しています。
さらに、ヘリオスは米国にSaisei Ventures LLCを設立し、バイオ領域への投資を通じて技術の収集や他ベンチャーとの連携を強化しています。これにより、同社のパイプラインに貢献する技術の獲得を目指しています。
同社は、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域における多層的な開発戦略を通じて、リスクを低減し企業価値の向上を図っています。これにより、持続的な成長を実現し、世界中の患者に新たな治療法を提供することを目指しています。