ForeScout Technologies, Inc.【FSCT】 NASDAQ

ForeScout Technologies, Inc.【FSCT】 NASDAQ

事業内容

沿革・会社概要

ForeScout Technologies, Inc. は、ネットワークセキュリティサービスを提供する会社である。「Security at first sight」をスローガンとして、一見してわかるセキュリティの可視性を提供することをミッションとしている。

2000年4月にデラウェア州で法人化された。2017年10月に新規株式公開(「IPO」)を完了し、ナスダック・グローバル・マーケットに上場している。ForeScoutの主要な執行オフィスは、190 West Tasman Drive, San Jose, California 95134に所在している。

事業内容

ForeScoutは、さまざまなデバイスがネットワークに接続した瞬間に監視するユニークな「可視化」サービスを世界2,000以上の企業および政府機関に提供している。ForeScoutのサービスは、金融、政府機関、ヘルスケア、テクノロジー、製造、サービス、エネルギー、エンターテイメント、小売などを幅広い業界をカバーしている。さらに、可視化したデバイスのコントロールや異なるタイプのセキュリティツール間とを結びつけ、ワークフローの自動化および多大なコストの削減を実現するようなサービスも提供している。

2019年12月31日現在、ForeScoutは創業以来、Forbes グローバル2000の25%を含む90カ国以上の3,700社以上のエンドユーザーへの製品の販売に成功しており、ForeScoutの製品の管理下にあるデバイスは8,000万台近くに達している。

2019年、2018年、2017年のそれぞれの年度のForeScoutの収益は、それぞれ3億3,680万ドル、2億9,770万ドル、2億2,440万ドルで、それぞれ前年比13%および33%の成長を示すなど、業績面も好調である。

競争力の源泉

昨今のネットワークシステムには、監視カメラなどのIoTデバイスや、工作機械などのOTデバイスまで、様々なデバイスがネットワークに接続されるようになっている。また、これらのデバイスは日々増え続けており、それと同時に、セキュリティの脅威も日々増え続けている。こうした問題に対して、ForeScoutの統合型セキュリティプラットフォームを利用すれば、自らの組織が置かれた状況を完全に把握し、サイバーリスクや運用リスク低減に向けた行動を瞬時に行うことができるようにする。加えて、70以上のサードパーティーのソリューションと連携が可能となっていることから、より効率的な運用がサポートされていることも特徴である。

ForeScoutのサービスは、エージェントレス方式(人が介入しない方式)であるため、迅速に導入展開が可能であることも強みの1つとなっている。あらゆるデバイスを100%リアルタイムで検出・分類し、セキュリティポスチャーの常時評価を実現するなど、幅広いネットワークセキュリティサービスを提供している。

ForeScoutは、2つの製品グループにまたがって様々な企業や官公庁に対してソリューションを提供している。その2つとは、(i) 可視性と制御機能のための製品と、(ii) オーケストレーション機能(異なる機能をもつ特定の製品同士を結びつける機能)のための製品である。いずれの製品も、従来のセキュリティシステムとは異なり、ソフトウェアエージェントまたは従来のデバイスに関する知識を必要としない。したがって、簡単に企業や官公庁に導入することができることが最大の強みである。

たとえば、システム全体の可視化と運用の自動化を可能とするForescout Platform は、標準で様々なセキュリティシステムと連携し、マルウェア感染端末の検出・隔離や、不正接続端末のシャットアウト、脆弱性のあるソフトウェアの検出と対応管理など、セキュリティ管理基盤の要として機能する。

成長戦略

ForeScout Technologies, Inc. は以下のような戦略で成長を目指している。

既存のエンドユーザーの利用拡大を図る

企業内でのデバイスのオンライン化が進むにつれ、既存のエンド・カスタマー・ベースでの成長が期待される。ForeScout Technologies, Inc. のライセンス収益とサブスクリプション収益のSaaS部分は、ForeScout Technologies, Inc. のサービスによって管理されているデバイスの数に直接結びついていることから、デバイスのオンライン化が進むにつれて、より多くの製品を販売することができるようになる。

エンドユーザーは、組織内の他の分野への価値と適用可能性を認識し、ForeScout Technologies, Inc. の新たな製品の使用を拡大していくことが見込まれる。エンドユーザーが当社のソリューションを様々な分野に拡大していくことで、成長を続けることを目指す。 2019年12月31日現在、ForeScout Technologies, Inc. が販売した製品は約8,000万台のデバイスをカバーしており、そのうち19%(約1,500万台)がデバイスライセンスを購入している。

さらに、ForeScout Technologies, Inc. は新たなエンドユーザーの成長を促進するために、販売組織に大幅な投資を行っており、今後も投資を継続することを予定している。

2019年12月31日に終了した年度において、ForeScout Technologies, Inc. は400社以上の新規顧客の獲得に成功したが、そのうち約80社がGlobal 2000のリストに掲載されている企業である。2020年9月現在、金融サービス企業トップ10のうち6社、製造業企業トップ10のうち5社、多数の大規模ヘルスケア企業がForeScout Technologies, Inc. の製品やサービスを利用している。

市場でのプレゼンスを拡大する

ForeScout Technologies, Inc. は、今後も付加価値の拡大と投資を継続することを予定している。システムインテグレーターのチャネルパートナーとの関係を構築し、製品の流通を拡大する戦略をとる。既存のパートナーに対する教育にも力を入れており、チャネルパートナーのネットワークを通じて、特に中堅企業を中心に市場を拡大していくことを目指している。


2019年12月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2020年2月28日)