事業内容
中外製薬は、医薬品事業を中心に展開している企業です。国内では、自社で製造した医薬品を全国の特約店を通じて販売しています。製造の一部は、スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュから原材料を購入し、また中外製薬工業や米国のジェネンテックに製造を委託しています。研究業務は中外医科学研究所に委託し、臨床開発は中外臨床研究センターが担当しています。
海外事業では、欧州において中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが販売統轄会社として活動しています。エフ・ホフマン・ラ・ロシュが一部製品を輸入し販売しています。英国、フランス、ドイツなどでそれぞれの現地法人が販売活動を行っています。アジアでは、台湾中外製薬股份有限公司や日健中外製薬有限公司が医薬品の販売を行っています。
研究開発活動は、米国の中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッドや英国の中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド、中国の日健中外製薬有限公司、台湾中外製薬股份有限公司が担当しています。シンガポールの中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッドは研究を行っています。また、米国の中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーはスタートアップへの投資活動を行っています。
経営方針
中外製薬は、2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」を掲げ、革新的な医薬品の創出を通じて世界の医療に貢献することを目指しています。この戦略は、世界最高水準の創薬力を持ち、患者中心の持続可能な医療を実現することを目標としています。
中外製薬は、ロシュとの戦略的アライアンスを活用し、独自のサイエンス力と技術力を基盤に、創薬の革新に注力しています。特に、R&Dアウトプットの倍増と自社グローバル品の毎年上市を目指し、長期的な成長を図っています。
「TOP I 2030」では、創薬、開発、製薬、Value Deliveryの各バリューチェーンを改革し、成長基盤を強化することを掲げています。これにより、医薬品の開発スピードを向上させ、患者にとっての価値を最大化することを目指しています。
中外製薬は、デジタル技術を活用したプロセスの再構築や、環境変化に対応した先進的事業モデルの構築を進めています。これにより、バリューチェーン全体の生産性向上と、持続可能な医療の実現を図っています。
また、成長基盤改革として、人材育成やデジタル化、サステナビリティの推進に注力しています。これにより、イノベーションを支える全社基盤を強化し、社会課題の解決に貢献することを目指しています。