事業内容
トリケミカル研究所は、半導体製造用の高純度化学化合物を中心に事業を展開しています。同社は、台湾の三化電子材料股份有限公司や韓国のSK Tri Chem Co., Ltd.、日本の㈱エッチ・ビー・アールなどの関連会社と連携し、主に半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っています。
同社の製品は、半導体デバイス製造のウェハプロセスにおいて重要な役割を果たしています。具体的には、化学気相成長(CVD)やエッチング、拡散といった工程で使用される化学薬品を提供しています。これにより、ウェハ上に薄膜を堆積させたり、不要な部分を削り取ったりすることが可能です。
トリケミカル研究所は、半導体の微細化に伴う材料の変遷に対応するため、新しい材料の開発と提案を行っています。これにより、従来の材料では解決できない問題に対処し、安定した供給を実現しています。また、太陽電池製造用材料の供給も行い、事業の多角化を図っています。
同社は、CVD材料、ドライエッチング材料、拡散材料の3種類の製品を主に提供しています。さらに、化学薬品用容器の設計販売や化学薬品の受託合成、受託実験などの付加サービスを通じて、製品の高付加価値化を図り、他社との差別化を進めています。
経営方針
トリケミカル研究所は、成長戦略として「科学技術を通じて最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとり創造を実現する」という経営理念を掲げています。同社は、開発力の向上と生産技術の改善を通じて顧客満足の最大化を目指し、持続可能な成長を追求しています。
同社の中期経営計画では、売上高を3年間で約67%増加させ、売上高営業利益率を25%程度にすることを目標としています。これにより、安定した売上成長と経営効率の向上を図り、強靭な企業体質の構築を目指しています。
半導体市場の拡大を背景に、トリケミカル研究所は新規材料の市場投入と既存材料の生産性向上を進めています。また、業務のデジタル化や環境負荷の軽減、作業安全性の向上など、サステナビリティの追求にも注力しています。
同社は、東アジア市場での成長を目指し、日本の南アルプス事業所や台湾の銅鑼工場での生産体制を強化しています。さらに、中国や韓国での営業活動を推進し、グループ全体のシナジーを強化することで、新規顧客の獲得を図っています。
今後も、トリケミカル研究所は財務体質の健全化と経営基盤の強化を進め、コーポレートガバナンス体制の整備・強化を図ります。これにより、経営の透明性と効率性を高め、企業価値の向上に努めていく方針です。