伊勢化学工業【4107】 スタンダード(内国株式)

ヨウ素及び天然ガス事業では地下かん水を主原料にヨウ素を生産し、金属化合物事業では塩化ニッケル等を製造販売。

伊勢化学工業【4107】 スタンダード(内国株式)

ヨウ素及び天然ガス事業では地下かん水を主原料にヨウ素を生産し、金属化合物事業では塩化ニッケル等を製造販売。

事業内容

伊勢化学工業は、親会社であるAGC株式会社と連結子会社のウッドワード・アイオダイン・コーポレーションを含むグループで構成されています。同社はAGC株式会社とヨウ素や天然ガスの販売、原料の仕入れなどの取引関係を持っています。また、主要株主である三菱商事株式会社ともヨウ素の販売や原料の仕入れに関する取引を行っています。

伊勢化学工業の事業セグメントは主に「ヨウ素及び天然ガス事業」と「金属化合物事業」の2つに分かれています。ヨウ素及び天然ガス事業では、地下かん水を主原料とし、ブローイングアウト法でヨウ素を生産しています。ヨウ素は日本国内だけでなく、北米、欧州、アジアにも販売されています。また、同社はヨウ素を原料にヨウ素化合物の製造販売も行っています。

天然ガスはヨウ素の主原料である地下かん水から採取され、千葉県外房地区や宮崎県佐土原地区、米国内のガス販売会社などに販売されています。販売価格は世界的なエネルギー価格の影響を受けて変動しますが、販路は地域性が強いです。

金属化合物事業では、伊勢化学工業が塩化ニッケルなどの金属化合物を製造販売しています。この事業の技術的特徴は、抽出剤を使用して不純物を取り除き、高品位の金属化合物を生産する点にあります。

経営方針

伊勢化学工業は、技術革新と創意工夫を重視し、科学と経済の発展に貢献することを経営理念としています。同社は、スペシャリティ化学の素材・加工分野で顧客満足を追求し、信頼される企業を目指しています。また、社員の個性と能力を尊重し、誇りを持てる職場環境を提供することを重視しています。

同社の成長戦略は、ヨウ素と天然ガス事業における安全安定操業を最優先とし、既存設備の維持・更新を積極的に行うことです。新規坑井の開発を継続し、供給能力の拡大を図るとともに、製造プロセスの高効率化とリサイクルの向上に努めています。これにより、カーボンネットゼロ社会の実現に貢献することを目指しています。

金属化合物事業では、積層セラミックキャパシタ(MLCC)向けの需要拡大に対応し、生産体制を強化しています。顧客との連携を深め、コストダウンを図ることで、競争力を高めています。また、新商品開発と新規事業の創出を急務とし、産学連携や外部研究機関との提携を通じて、開発スピードを加速しています。

伊勢化学工業は、持続可能な経営を推進し、株主の期待に応えるため、安定的な成長を目指しています。財務目標として、EBITDA額70億円以上、ROE10%以上を掲げ、積極的な設備投資を継続しています。これにより、事業全体の市場規模拡大を図り、長期的な成長を実現する方針です。