MuleSoft, Inc.【MULE】 NYSE

MuleSoft, Inc.【MULE】 NYSE

事業内容

沿革・会社概要

MuleSoft, LLC.は、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くエンタープライズ・ソフトウェア会社である。MuleSoftは、様々なアプリケーション、データ、デバイスを簡単に接続できる利便性を企業に提供する。

MuleSoftは、2006年にAzechi, Inc.として設立され、同年MuleSource, Inc.に社名を変更した。2009年8月にMuleSoft, Inc.に社名を変更した。2017年3月、ニューヨーク証券取引所へ株式上場を果たす。

2018年5月にSalesforceにより買収され、上場廃止となった。

事業内容

MuleSoftは、構成が容易でアジャイルなインフラを構築できるようにすることで、組織のテクノロジー運用モデルの根本的な転換を可能にしている。MuleSoftの顧客は、Anypoint Platformを使用して、アプリケーション、データ、およびデバイスを「アプリケーションネットワーク」に接続し、特別なコードを使用することなく、システムをプラグインすることができる。

モバイル、ソーシャル、SaaS、クラウド、ビッグデータ、IoTなどの主要なテクノロジーの分散化により、企業がこれらを容易に接続するためのソリューションが必要になっている。

MuleSoftのプラットフォームは、顧客が既存のIT投資をアンインストールしたり交換する必要はない。その代わり、顧客は既存の投資をアプリケーションネットワークと接続して継続的な再利用を行うことができ、資産の寿命とリターンを向上させることができる。

MuleSoftの柔軟なアーキテクチャと接続性は、新しく開発された技術でも、アプリケーションネットワークに簡単に統合できるように設計されており、技術の陳腐化から顧客を守る。

製品・サービス

Anypoint Platformは、ITアーキテクト、開発者、システム管理者がアプリケーションネットワークを簡単に構築し、迅速に拡張できるようにするために必要なコンポーネントを含む統合プラットフォームである。ユニバーサルな接続モデル、エンドツーエンドのAPI、回復力と拡張性に優れたランタイムエンジン、IT資産をセルフサービスで発見して再利用するための機能などが含まれている。

Anypoint Platformは、アプリケーション、データ、デバイスをシームレスに接続して、オンプレミス、パートナー経由、クラウドサービスを問わず管理できる。ハイブリッドクラウド環境での使いやすさを考慮して構築されたプラットフォームは、オンプレミスでもクラウドでも同じ機能を顧客に提供している。

Anypoint Platformは、ハイブリッドクラウドを念頭に置いて構築されている。パブリッククラウドのオプションを選択した顧客には、Anypoint PlatformのiPaaSコンポーネントである『CloudHub』が提供される。『CloudHub』では、顧客はハードウェアを取得、運用、管理する必要がなく、運用と保守はMuleSoftが管理する。顧客のクラウド戦略が進化しても、Anypoint Platform上に構築されたアプリケーションネットワークは、既存のアプリケーションを書き換えることなく、顧客のクラウド戦略に合わせて進化することができる。

Anypoint Platformの主なモジュールは以下の通りである。

Anypoint Design Center

Anypoint Design Centerは、直感的で使いやすい開発ツールを提供し、APIの設計とテスト、統合フローの実装、コネクタの構築を容易にする。以下は、Anypoint Design Centerのコア・コンポーネントである。

Anypoint API Designer:開発者は、Anypoint API Designerを利用してAPIデザインを作成し、共有することができる。Anypoint API Designerの機能により、API開発者と将来のコンシューマーは、APIを実装することなく、APIデザインを反復して改善することができる。

Anypoint Studio:APIを実装および構成するための、ドラッグ&ドロップデザイン環境である。視覚的なデバッグ機能、最も一般的なオープンソース開発ツールとの統合を特徴としている。

Anypoint Management Center

Anypoint Management Centerは、アプリケーションネットワーク上のAPIブロックをリアルタイムで可視化し、制御することができる管理機能を提供する。以下は、Management Centerのコアコンポーネントである。

Anypoint Runtime Manager:アプリケーションの新バージョンへのアップグレード、グループ化、環境全体のパフォーマンスの表示、既に使用しているサードパーティの運用ツールへの接続が可能となる。

Anypoint API Manager:ユーザーは、既存のAPIまたはAnypoint Platform上で開発された新しいAPIを、安全性確保を行うために管理できる。

Anypoint Analytics:アプリケーションネットワーク全体のAPI使用率、トラフィック量、パフォーマンスに関する主要なメトリクスを追跡し、ネットワークのトランザクションを可視化する。これにより、使用パターンを把握し、アプリケーションネットワークのパフォーマンスを向上させることができる。

Anypoint Exchange

Anypoint Exchangeは、企業内外の開発者が、API対応のIT資産を発見して再利用するための主要な場所として機能する。Anypoint Exchangeには、プラットフォームのユーザーが利用できるコネクタ、テンプレート、サンプル、APIの完全なリストのほか、接続性資産、ドキュメントなどが格納されている。

Mule Runtime Engine

Anypoint Platformの中核をなすランタイムエンジンで、アプリケーションの統合を、リアルタイムとバッチの両方のデータ統合機能と組み合わせている。オンプレミス、クラウド、またはMuleSoftがホストするiPaaSサービスである『CloudHub』で利用することができる。

Anypoint Connectors

Anypoint Platformのユニバーサル接続モデルは、数千ものAPIやその他のプロトコル、あらゆる種類のデータ形式など、ほとんどすべてのものにスピーディに接続できる。開発者は、Anypoint Connector DevKitを使用して独自のコネクタを構築したり、他の開発者が構築して共有したコネクタを使用することもできる。

Runtime Services

Anypoint Platformを高速化、拡張、セキュア化するための各種プラットフォームサービスを提供している。メッセージングサービス Anypoint MQ、システムへの不正アクセスをブロックするAnypoint Enterprise Security、仮想プライベートクラウド Anypoint Virtual Private Cloudなどを提供している。

2017年12月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2018年2月22日)

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