中南米で躍進するデジタル銀行「Nu」ブラジル外でも急伸、クロスセル狙いサービスを多様化
開示資料より作成
ブラジルを中心にデジタル銀行事業を手がけるNu Holdingsが、2024年12月に株価急落にあえいだ。足元では復調しつつあるが、果たしてどのような状況にあるのか調べたい。
Nuについてはこれまで何度も取り上げてきたように、2023年から2024年11月にかけては極めて順調だった。ブラジルでの利用者は伸び続け、収益性も改善。株式市場における評価も膨らみ、この期間における株価は何倍にも膨らんだ。
足元の業績を見てみても、同社の勢いが衰えたようには見えない。今後の懸念と言えそうなのは、大きく次の三点だ。一つ目は、為替変動。二点目として関連するのが、ブラジル全体の景況不安も大きい。
そして三つ目が、主要市場であるブラジルにおける「天井」が近づき始めていること。Nuの顧客数は1億970万人に達し、そのうち9,880万人がブラジル。一方、ブラジルの人口は2.16億人だ。しかし経営陣は、今後について楽観的だ。