米FCCがTikTokアプリの削除要請、AppleとGoogleに書簡
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米連邦通信委員会(FCC)が、動画投稿アプリ「TikTok」をアプリストアから削除するようにAppleとGoogleに要請した。両社のCEO宛に書簡を送った、FCCのブレンダン・カー委員が自身のTwitterへの投稿を通じて明らかにし、中国に利用者の個人情報が漏えいする可能性があることが理由だとしている。
カー委員はTikTokを開発する北京字節跳動科技(ByteDance)について「中国共産党から恩義を受けており、中国の法律で政府からの監視要請に従うよう義務づけられている」と指摘している。
なぜ今?
TikTokを巡っては、6月中旬に欧米メディアが運営会社の社内会議の録音を入手し、中国側の技術者が米国の利用者データに繰り返しアクセスしていると報じた。
これを受けて同社は米国の利用者のデータを、米バージニア州とシンガポールに構える自社のデータセンターから米Oracleのサーバーに移管すると発表。米国内に管理場所を一本化し、自社の拠点からはデータを削除するとした。
TikTokの月間アクティブユーザー数は2021年に10億人を超え、米国でも若年層を中心に1億人以上が利用しているとみられる。同サービスを巡っては中国への情報流出の可能性が指摘されサービスが制限されてきた。2020年には当時のトランプ政権が、TikTokや対話アプリの「微信(ウィーチャット)」の米国内での使用を禁じる大統領令を出していた。
バイデン政権に移行しトランプ政権の大統領令は2021年に撤回されたが、同社をめぐる個人情報の中国流出への懸念が再燃し始めている。