クイックコマースのクイックゲット、3.5億円調達 200店舗体制に
クイックゲット
ネットで注文を受けた商品を短時間で宅配するクイックコマース運営のクイックゲット(東京都渋谷区)は29日、ベンチャーキャピタル(VC)などから3億5000万円を調達したと発表した。2025年をメドに配送拠点を200店舗まで拡大して全国展開を目指す。
どんな企業?
2017年設立。アプリで注文を受けた商品を、配達専用の店舗(ダークストア)から即時配達するサービス「QuickGet」を2019年11月に始めた。
菓子類や酒類など飲食料品、日用品のほか、2021年から生鮮食品も取り扱う。2020年9月時点で商品数は1000点以上としていた。
現在は東京都渋谷区、目黒区、港区の一部で事業を運営し、配達にかかる時間は平均11分。「独自で仕入れ、自社で在庫を抱えて実店舗並みの価格を実現している」(同社)。注文には一律250円の配送料がかかる。
「QuickGet」利用画面のイメージ=クイックゲット
なぜ重要?
通常の小売店と比べ、クイックコマースでは事業者が個人情報と購買履歴などのデータをひもづけて取得しやすくなる。趣向に合わせた個別の販促もしやすくなり、次世代の小売り業態として注目が集まる。
資金使途は?
「調達資金はサービスエリアの拡大や人材採用に充てる」(クイックゲット)。実現には、対象エリアから数十分以内に宅配できるダークストアの多店舗化と配達員の確保が欠かせない。
今後3年で都内や地方主要都市に200店舗を置き、フルタイムで働く従業員数も20人から4倍の80人に引き上げる方針だ。
資金はマネックスベンチャーズ(東京都港区)などVC3社と個人投資家が出資した。