7年ぶり高値、ウクライナ情勢など影響
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世界的に原油価格の上昇が続いている。原油価格の指標となるニューヨーク市場のWTI先物は3日、一時2014年以来、約7年ぶりに1バレル90ドルを超えた。
ロンドン原油市場の北海ブレント先物でも1バレル90ドルを超え、7年ぶりに高値を更新。世界経済回復に伴う需要の高まりや、緊張が続くウクライナや中東情勢などの懸念材料が影響している。
石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟国でつくるOPECプラスは2日、追加の増産を見送った。ロイター通信によると、脱炭素化の潮流によるクリーンエネルギーへの移行が進み、化石燃料に十分な投資が得られないことなどが一因とみられる。
経済活動が再開する米国やインドなどの消費国は、産油国に対して一段の増産を要求。供給不足を受けてこれまで備蓄を放出する措置にも踏み切ってきた。
さらに、ウクライナ侵攻で欧米が産油国ロシアへの経済制裁に踏み切った場合、原油の供給が滞るとの見方も広がる。報道によると、有事の際に日本などが欧米に天然ガスを融通する検討に入っており、原油価格の上昇はしばらく続きそうだ。