NVIDIA 1Q26決算:輸出規制が逆風も売上急増、年内には粗利率も回復を見込む

NVIDIAが5月28日(米国時間)に2026年度第1四半期(2〜4月)決算を発表しました。売上高が441億ドルと前年同期比で69%増え、AI特需を背景に3四半期連続で過去最高を更新しています。
生成AIの利用拡大でトークン生成量が前年比10倍に跳ね上がり、同社のAI基盤への投資が世界規模で加速しています。一方、中国向け推論GPU「H20」が米政府の輸出許可制に移行したことで逆風に直面、45億ドルの損失を計上しました。
この結果、非GAAP粗利率は61.0%に低下しました。特殊要因を除くと71.3%でした。出荷停止によって25億ドル分の追加売上を逃したと言います。そんな中、ジェンスン・フアンCEOは「Blackwell NVL72」に言及。「“思考する機械”として推論性能を飛躍させ、AIエージェント普及を加速させる」と述べ、今後の長期成長に自信を示します。
GAAPベースでは粗利率60.5%を確保し、巨額の一時費用を吸収しました。AIを“電力・インターネット級の社会インフラ”と位置づける同社は、欧米・中東にデータセンター建設計画が相次ぐなか、今後も供給拡大と製品ポートフォリオの更新で成長を狙います。