米国のチョコレート大手「ハーシー」に大逆風。カカオ価格が高騰も2025年は改善へ?
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米国のチョコレート市場で大きな存在感を誇るハーシー(HERSHEY)に、かつてない逆風が吹いている。
ハーシーは1894年に生まれた老舗ブランドで、同社によれば米国でのチョコレート市場シェアは45%にのぼる。キャンディ・ミント・ガム市場でも31%を牛耳っているという、米国を代表する菓子メーカーの一つだ。
2023年の投資家向けイベントでは「次の三年超にわたって二桁%の成長を続ける」と豪語した。ところが、その後の進捗は思わしくない。
前年比での増収率は2024年に入ってからマイナスに転じ、4〜6月に至っては約17%減少と惨憺たる結果に終わった。それでも黒字を維持しているのが大したものではあるが、株式市場の評価は厳しい。この半年で株価は20%ほどの下落となっている。
ハーシーの業績悪化の背景には、カカオ豆の不作による価格高騰というのっぴきならない事情がある。果たして一連の問題は「終わりの始まり」なのだろうか。本記事では、同社を取り巻く事業環境の変化について紹介する。
矢面に立たされたのが、2017年から経営トップを務めるミシェル・バック(Michele Buck)社長兼CEOだ。ハーシーで20年近く勤めてきた叩き上げの経営者だが、2026年6月を最後に退任することが決まった。