世界最大のアルコール飲料メーカー「ABインベブ」の歴史

アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は、ベルギーのルーヴェンに本社をおく世界最大のアルコール飲料メーカー。バドワイザーやコロナビールなど、誰もが一度は聞いたことのあるビールブランドを多数抱えている。名前は変だけど。


歴史は古く、たくさんのビールメーカーが合併・買収を繰り返すことで今の形になっている。今回は、そんなABインベブの歴史を公式ページからざっくりと辿ってみよう。

一番古いのは、1240年にレッフェ(レフ)の修道院でビールを作り始めたときらしい。

1445年には、修道士たちがヒューガルデンの小麦ビールを作るものすごく複雑な醸造プロセスを発見。修道院ってそういう場所だったっけ。

1717年、セバスチャン・アルトワがデン・ホーン・ブルワリーを買収し、社名を「アルトワ」とする。


1860年、エバーハルト・アンハイザーが米国セントルイスのバヴァリアン・ブルワリーを買収し、社名を「E・アンハイザー&カンパニー」とした。

1873年にはベック&カンパニーブルワリーがヘンリッヒ・ベックによって設立。

エバーハルト・アンハイザーの義理の息子だったアドルフ・ブッシュと、彼の友人カール・コンラッドが、1876年にアメリカン・スタイルのラガービールとして「バドワイザー」を作った。そして1879年、アンハイザー&カンパニーは「アンハイザー・ブッシュ・ブリューイング・アソシエーション(アンハイザー・ブッシュ)」に名前を変更。ABインベブの「AB」の部分までがここで完成。

1885年にアンタークティカが、1888年にはブラーマが共にブラジルで創業。


1895年には南アフリカブルワリー(SAB)が設立され、1897年には民間企業としてはじめてヨハネスブルグ証券取引所に上場。

1925年、コロナ・エクストラがメキシコシティで初めて作られる。10年後にはメキシコで最も売れるビールブランドとなった。2001年にSABによって買収。

1987年、アルトワが他のベルギーのブルワリー「Piedboeuf」と合併し、社名を「インターブリュー」とする。


1999年から2000年にかけて、ブラジルのブラーマとアンタークティカが合併して「アンベブ」となる。

ここまでで社名の部品が揃った。アメリカのアンハイザー・ブッシュ(バドワイザーを保有)とベルギーのインターブリュー、ブラジルのアンベブ(アンタークティカを所有)。

2004年にこのうち、インターブリューとアンベブが合併し「インベブ」となる。

そして、2008年にアンハイザー・ブッシュとインベブが合併することで「アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)」となった。

SABは2002年にミラーと合併して「SABミラー」となっていたが、2016年についにABインベブと合併、今の形に至る。


まとめ

経緯がちょっとややこしいので特に重要なやつを整理しよう。

・アルトワ(1717年、ベルギー)=>インターブリュー(1987年Piedboeufと合併)

・アンハイザー・ブッシュ(1879年、米国、バドワイザーを開発)

・SAB(1895年、南アフリカ)=>2001年にコロナの会社を買収

・アンベブ(1999年にブラーマとアンタークティカの合併で設立、ブラジル)=>インベブ(2004年にインターブリューと合併)

・2008年にアンハイザー・ブッシュとインベブが合併=>ABインベブ

・SAB(2005年よりSABミラー)は2016年にABインベブと合併


社名の変更がドラゴンボールじみている。本社がベルギーということは、形式上、アルトワが残っているということだろうか。名前全く残ってないけど。てか、アンベブってまだ上場会社としてあるみたいだけど、そこんところはどうなってるんだろ。次回調べてみよう。