Appleが10月31日、2024年7〜9月期決算を発表。売上高は前年比6.1%増の949億ドル、営業利益は9.7%増の296億ドルだった。
直近では『iPhone 16』シリーズや『Apple Watch』のシリーズ10、『AirPods 4』などの新製品を発表。ヘルスケアに関する機能を強化したとティム・クックCEOはアピールした。
今週からはAI機能『Apple Intelligence』をリリース。AI時代が次なるステージに突入しようとしている。新型のMacBook Proも今週リリースされ、筆者も3年使いのマシン(M1 MacBook Pro)を買い換えるつもりだ。
Appleという会社自体は巨大な「キャッシュマシン」でもある。四半期に稼いだ営業キャッシュフローは270億ドルに迫り、290億ドル以上を株主に還元した。年間の還元総額は1,100億ドル(≒16.7兆円)を超えた。一つの産業と言っても差し支えないほどの大きさが同社にはある。
今回の記事では、クックCEOをはじめ経営陣の発言から重要なポイントをピックアップしながら、新たな時代にAppleがどのような打ち手を進めているかを紹介する。
まず押さえておきたいのは、『Apple Intelligence』の位置付けだ。これは一見する限り、Windowsの『Copilot+ PC』に相当するもので、デバイスレベルで生成AIを使えるようになる。
例えば「ライティングツール」では、電子メールの要約やニュアンスの変更、トーンの調整などに生成AIを活用できる。文法やワードの選定をチェックできる「校正」(proofread)機能もある。
Apple Intelligenceは、画像の取り扱いにも力を入れている。代表的な機能の一つが、絵文字の生成機能だ。「サーフボードに乗ったティラノサウルス」をリクエストすれば、そのように絵文字を用意してくれる。保存してある写真をもとに、実際の人物をイラスト化して絵文字にすることもできる。
Apple Newsroom
絵文字だけでなく、自由に画像を生成することも可能だ。今後はSNSのプロフィールアイコンで、AIによって生成されたイラストを使う人が増えそうだ。ちょっと間抜けなところが魅力だった『Siri』も、Apple Intelligenceによって大きくアップデートされる。
Apple Intelligenceはデバイスに紐づくがゆえに、画像やカレンダー、チャットなど様々なデータにアクセスしうる。一般のアプリケーションとは全く違うレベルで情報を活用し、生成AIのポテンシャルを引き出せる。この点が、世間一般の生成AIツールと大きく違う点である。
クックCEOは、AIの活用においてプライバシーを最大限重視していることも強調。今週から利用できるようになったのは、米国のiPhone、iPad、Mac向けだ。12月にはさらにパワフルな機能を追加する予定であるという。