NTTドコモが買収したヘルスケア企業「ミナカラ」薬剤師が生み出した事業と展望に迫る
今回取り上げるのは、ヘルスケアベンチャー企業のミナカラだ。
ミナカラは2013年、薬剤師の喜納信也氏によって創業。当時の社名は「ヘルスケアスタイルラボラトリー」。コンサルタントと薬剤師の二足の草鞋を履いていた喜納氏が、調剤薬局業界の非効率な現場業務に疑問を抱いたのがきっかけだった。
当時のインターネットでは、薬に関する信憑性の低い情報が氾濫していた。そこで着手したのが、薬剤師が記事を監修するメディア事業だ。消費者が薬選びで困らない正しい情報を提供する必要があると考えた。
その後も同社は、オンライン健康医療相談サービスやオンライン薬局、ECサイトを展開。2020年にはベンチャーキャピタルから3億円の資金調達を果たしたが、翌年にNTTドコモおよびメドレー社によって買収。2024年2月にはNTTドコモの完全子会社となった。
少子高齢化が進む日本では、医療分野におけるテクノロジー活用が求められている。近年では患者の健康状態を把握し、個々に合わせた薬を提案できる「かかりつけ薬剤師・薬局」という概念も生まれた。テクノロジーを通して薬局をどのように変えていくのか、2023年11月にCEOに就任した岡田俊氏に話を聞いた。