チャールズ・ポンジの生涯:小悪党はいかにして歴史に名を刻んだか?

今回の記事では、チャールズ・ポンジについて紹介したい。「ポンジスキーム」という言葉の由来となった人物である。

言うまでもなく詐欺は犯罪であり、社会に甚大な被害をもたらしている。警察庁によると、2022年における特殊詐欺の認知件数は17,570件。合計被害額は370億円を超える。

特殊詐欺とは、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪のこと。代表的なのは架空料金請求詐欺やオレオレ詐欺。その他、還付金詐欺や融資保証金詐欺などといった手管がある。

米国で2022年に増えた詐欺

やや定義が異なるが、金額がはるかに大きいのが米国だ。FTC(連邦取引委員会)による報告では、2022年の詐欺被害が88億ドルに迫った。前年比30%もの拡大である。

件数ベースで多いのは「なりすまし詐欺(Imposter Scams)」。日本でいうオレオレ詐欺も、ここに分類される。続いてネット通販が二番目で、懸賞関連が三番目。投資詐欺、事業上の詐欺、求人関連と続いていく。

なりすまし詐欺の被害額は26億ドル。事業者に対する「なりすまし」も含まれ、顕著に増えている。有名企業を装って詐欺を働くもので、2022年の被害額は6.6億ドルに急増した。

そして、金額ベースでは更に大きいのが「投資詐欺」だ。2022年における投資詐欺の被害額は38億ドル。2011年と比べると、二倍以上に膨らんだ。ソーシャルメディアを経由して発生した被害額は12億ドルとされる。

初めは小悪党だったチャールズ・ポンジ

投資詐欺において典型的な手口を確立したのがチャールズ・ポンジ(1882〜1949年)だ。「ポンジスキーム」の由来になったことで、直接的ではないものの歴史上最も名前を知られた詐欺師と言える。

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