【Chegg】OpenAIとの連携サービスはβ段階、今度はScale AIと提携し「自前のAIモデル」構築へ
今年5月に株式市場の話題をさらった米国企業「Chegg」を覚えているだろうか。良い方向ではない。ChatGPTによる業績への影響が懸念され、株価が文字通り半減したのだ。「初めてのAIによる株価暴落」とも言われた。
日本ではあまり聞きなれない「Chegg」は、米国の大学生の間では「Amazonより認知度が高い」とされた学習支援サービス。宿題の解法などを閲覧できる『Chegg Study』を軸に、個人の定期課金収益を積み上げてきた。
コロナ禍での巣ごもり需要は大きな追い風となったが、長くは続かなかった。営業損益は赤字に転落し、売上高も前年比で純減。一見すると、特に良いところはないように見える。
同社に注目するのは、大規模言語モデルによって多大な影響を受けつつも、AIによる対策を自ら打ち出した象徴的な事例だからだ。CheggはOpenAIなどと連携し、AIによるサービスを自ら展開する方針に転換した。
Cheggは自社の競争力の根源は長年培った「教材などのノウハウ」にあるという。汎用的な人工知能には代替が難しいとするが、果たしてそれは真なのか。今回の記事では直近の進捗や、CEOが掲げる今後のビジョンについてまとめる。