現場DXで急成長 カミナシ・諸岡CEOに聞くノンデスクワーカー市場の勝ち筋
人材不足といえばデジタル分野が注目されがちだが、工場などの現場での人手不足はさらに深刻な状況になっている。そのため、オペレーションをデジタル化で省人化・効率化することは喫緊の課題だ。
とはいえ、人事や経理などいわゆるホワイトカラーのようにSaaSツールが登場していないのもこの分野である。そんな中、急成長しているのがノンデスクワーカーをターゲットにしたスタートアップ・カミナシだ。
“現場DXプラットフォーム” をうたうノーコード業務アプリ「カミナシ」は、その名の通り、従来は紙で書かれていた帳票をデジタル化するというSaaSである。現在では導入現場数累計7,000か所以上、30業種で毎月100万枚を超える紙帳票をデジタル化する。
今年3月にはセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)の弁当・惣菜を製造するメーカー各社の工場139か所に「カミナシ」を導入したことを発表。エンタープライズ企業への進出が著しい。
とはいえ、かつて「カミナシ」も一度は挫折し、大きくピボットしたプロダクトだった。ところが3月29日にシリーズBラウンドで約30億円の調達を発表した際には、マルチプロダクト化による「まるごと現場DX構想」を打ち出した。今回は、同社代表取締役CEOの諸岡裕人氏にインタビューし、ここまでの経緯を聞くとともに、今後の成長戦略を聞いた。