“MAU1億人”のデザインツール「Canva」 、日本責任者に聞く今後の成長戦略

MicrosoftやAdobeなどの巨人たちが存在感を発揮してきたデザインツールの領域。プロでなくでもプロ並み」のデザインを作れるサービスで市場を切り拓き、成長を続けているのがオーストラリアのCanva(キャンバ)だ。

2012年設立の同社は、翌年にデザインツール「Canva」の提供を開始。ポスターやSNSへの投稿、 プレゼンテーションの作成や動画の編集、素材の調達までデザインにまつわるほとんどの作業をツール内で行える。

日本を含めた世界190カ国で展開し、クリエイターなどの個人から大企業までが幅広く利用。これまでに創作されたデザイン数は140億作品以上だ。月間アクティブユーザー数は1億人を超え、足元の年間売上高は10億ドル以上に成長している。

急激な成長ペースから市場の評価も高く、2021年には評価額が400億ドルとなっていた。

9月には文書作成ツールやホワイトボード機能など6つの新機能を発表。デザインに関するビジネス業務全体を効率化する「ビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」への転換を進めている。

日本のカントリーマネージャーを務める植山周志氏に、足元の状況や今後の展望を聞いた。

80万種のテンプレート、日本では「のし紙」「履歴書」も

【略歴】うえやま・しゅうじ SymantecやDropboxなどグローバル企業での勤務を経て、 2019年Canva入社。同時に東京からシドニーに移住し、日本の事業成長を担当。2011年にグロービス経営大学院を卒業し、MBA取得。1994年からの12年間でBMX(自転車競技)の国内外の大会にて45回の優勝経験を持つ。

ーーCanvaのサービスの特徴と足元の状況を教えてください。

我々のデザインプラットフォームでは、簡単に言うと「プロのデザイナーじゃなくても手早くプロ顔負けのデザインが作れる」ツールだ。InstagramなどSNSへの投稿、プレゼン資料、ポスター・チラシなど様々なジャンル向けにテンプレートを用意している。

テンプレートは現在、有料のモノも含め80万種類以上がある。地域の文化に合わせたデザインも製作し、日本では「のし紙」や日本のJIS規格に則った「履歴書」などを用意している。

足元の月間アクティブユーザー数(MAU)は全世界で1億人を超えており、約190カ国に対してサービスを提供している。

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